「気の毒な身内の話」(チャールズ・ディケンズ)
あらすじ
親戚が集まって暖炉を囲んで物語を話す場面で、はじめに語る主人公の話です。
主人公は何事にも成功とは無縁の人物だと思われています。事業でも、恋愛でも、遺産の相続までも失敗したと世間では思われています。しかし、実際はそうではありません。
元々秘書だった人物に乗っ取られた、と言われている事業は合意のもとに任せただけでした。子や孫に恵まれた人生で、妻との仲もずっと良いままです。
そんなに金持ちではありません。そこそこの不足とそこそこの心配。それでも主人公には居心地の良い絵に書いたような家庭があります。
感想
いつの間にかエピソードが始まっていて、話の結末も不思議な雰囲気で終わります。自他ともに認めるくらい話をしない人物が語っているのでリアリティが出ています。
幸せとは何なのか考えると、本人にしかわからないことがあります。周囲から見ると、事業を乗っ取られたり、勘当されて遺産を相続できなかったりと、失敗したように思われているのは口下手だからでしょう。主人公がお金にあまり執着していないので誤解させていそうです。
不思議に思ったのは独り身だと思われていることです。流石に子や孫がいるとわかりそうなものですが、一体どうしていたのでしょうか。
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