「ウィリアム・ウィルソン」(エドガー・アラン・ポー)

あらすじ

 「ウィリアム・ウィルソン」という人物は過去の悪名によって破滅の道を歩んでいます。

 彼の回想が学校生活の頃の出来事から始まります。厳格な教師のいる学校で、彼は中心人物になっていました。時が経つと周囲の生徒を支配するようになっていましたが、一人だけ思い通りにならない人物がいました。それはウィリアム・ウィルソンという、名前、姿、行いもそっくりな同級生でした。

 恐ろしくなって学校を抜け出した後、大学に進んでも、自分にそっくりなもう一人のウィルソンから逃れるように外国へ逃げても、行く先々に現れました。

 ローマで女性を誘惑したときにも、もう一人のウィルソンが現れました。正体を暴くためにもう一人のウィルソンを連れ出しましたが、剣で刺してしまいます。刺されたウィルソンは死の間際に語り手へ叫びました。その光景は自分自身が話している気がしてなりませんでした。

感想

 最初は気になる相手程度ですが、徐々に不愉快で、憎悪するようになり、最後には殺してしまうほどになってしまいます。

 本人の独白形式なので難しいですが、もう一人のウィルソンを認識しているのは自分自身だけのようです。最後に「自分自身を殺した」と叫んでいるところからも、幻覚を見ているようです。

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