「鏡地獄」(江戸川乱歩)

あらすじ

 Kの友人「彼」には不思議な病が取りついていました。「彼」はガラスや鏡への異常に執着していました。物理学を学び始めると「彼」の執着心はさらに強くなります。中学を卒業した後は庭に実験室を作り、1日中籠もるようになりました。

 そこからはどんどん「彼」はおかしくなってしまいました。Kはある朝「彼」の使用人に呼ばれます。「彼」の実験室には笑い話が聞こえる玉を見つけました。Kが玉を壊しすと中には発狂してしまった「彼」がいました。

感想

 「彼」の行動が異常になっていく過程のエピソードが、少しずつ怖くなっていきます。笑い話程度のことで始まりますが、だんだん気持ち悪くなりました。鏡を使ったいたずらくらいなら受け入れられますが、Kを通して恐怖を感じるほどの行動が増えると拒否感があります。

 Kにとって大切な友人だったようで、なんとかしたいという気持ちがわかります。「彼」自身は基本的に悪人ではないし、趣味がなければ善人のようです。その後の関係性も気になりました。

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