「変身」(フランツ・カフカ)

あらすじ

 ある日、グレゴール・ザムザという青年が目を覚ますと巨大な毒虫になっていました。最初は夢だと思い、眠ろうとしますがうまくいきません。時計を見ると出張の出発時間を過ぎていました。部屋の外では家族が心配して声をかけに来ています。グレゴールが部屋の外に出るとパニックになりました。

 虫になってからグレゴールは自室の中でひっそりと暮らしていました。部屋の壁や天井を這い回るようになったグレゴールを見て家族は、這い回るのに邪魔な家具を処分してしまいます。人間だった頃の痕跡が無くなることを気にして雑誌の切り抜きにへばりつくと母は気を失ってしまいました。事態を重く見た父はグレゴールにリンゴを投げつけます。

 父が投げたリンゴで怪我をしたグレゴールは1ヶ月苦しみます。その間に部屋の1つを下宿として貸していました。しかし、グレゴールが出てこようとしたことからトラブルになり、失敗してしまいました。家族はグレゴールを見捨てることにします。やせ衰えたグレゴールは家族の愛情を思い返しながら息絶えました。

感想

 私が家族の立場になったら、グレゴールのことをもっと嫌いそうだと思います。まだ家の中で世話をしようと思っていたりなんとか解決しようという意欲が感じられます。

 中盤からはグレゴールがコミュニケーションをとれないことで誤解を招きます。意図を伝えられないことで家族との溝が深まってしまうのは両方を俯瞰して見えていると心苦しくなります。

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