「赤き死の仮面」(エドガー・アラン・ポー)
あらすじ
「赤き死」と呼ばれる病が国中に広がり、人々を苦しめていました。発症してから三十分程で死に至る恐ろしい病です。
国王のプロスペローは臣下とともに大寺院に引きこもり、病が入りこまないように人が出入りできないようにしました。
外界から隔離された中で六ヶ月経つ頃、プロスペローは仮面舞踏会を催しました。
仮面舞踏会は夜まで続き、日付が変わる頃に音楽が止みました。静かになったことで人々は奇妙な仮装をした人物に気づきます。「赤き死」の患者の姿をした者がいました。プロスペローは謎の人物を短剣で刺そうとしましたが、直前で倒れてしまいます。謎の人物の仮面の下を確認してみると影も形もありません。
「赤き死」は寺院の中にも広がり、一人、また一人と倒れていきました。
感想
感染症の対応として隔離するというのは合理的で良い対応です。最初はプロスペローの行いが良いものですが、仮面舞踏会を行い、その様子を知っていくとだんだん疑わしくなります。奇をてらったといえば聞こえは良いですが、黒い部屋の描写を読んでいるだけで不気味です。そこに時刻を知らせる時計の音がまた恐怖をあおる音が鳴ります。踊り手の装いもグロテスクでけばけばしい。病が流行しているタイミングで見ると気が狂う人もいそうです。
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