若林さんの「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」を読んだ
若林さんの旅行記。ラジオでもやはりキューバの話はよくされるし、ぜひ本も読んでみたいと思っていた。
資本主義への反感(とはいえ何もしないけどね)
特に本のメインであるキューバ旅行記を読むと、キューバへ行こうとした理由である資本主義への疑いや反抗、といったところにとても共感した。
資本主義の中心であるアメリカでの回想から始まり、小さい頃から20代に感じた資本主義への違和感(当時は言葉にできなかったにしろ)。
まさしく言葉のとおり「「資本」の多寡で人間の価値を決めます!!」という仕組み(主義)に、ひとりひとりがさらされて、年をとっていくごとに、その仕組みの上を、自分の足ではなく「装備品(お金、仕事での成功、パートナーの有無、子供、etc)」によってグループ分けされていく。
その価値感に則っていない地、それがキューバであった。
東京とキューバ
資本の多寡と装備品とで、身近な人だろうと他者として、足をじわじわ引っ張りあいマウンティングや格付けをする街・東京と、とにかく自分たちの足で立って生きていく国、キューバ。
それは見事に「表参道のセレブ犬」と「カバーニャ要塞の野良犬」との対比で示されていた。
ぜひ自分もキューバに行ってみたくなった。
モンゴルやアイスランド
そのほか、モンゴルやアイスランドも、読んでいて楽しかった。いずれもその自然や自由さ(モンゴルは笑ってしまうほどのだだっ広い草原、アイスランドはとにかく花火を上げてしまうラフさ)を感じて、自分も行ってみたくなった。
キューバでの日々を過ごすなか、「インドアだったのに、部屋に戻るのがもったいない」と感じたシーンがあった。
その延長に、モンゴルやアイスランドがあったのではないか、とも思う。
あわせて、この資本主義とかマウンティング・格付けの雰囲気に、あらためてわかりやすく疑問を示して不器用に生きる若林さんの存在に、少し勇気づけられるのであった。と、解説でもあった。日本語ラップは聴かないが、その点とても同意するのであった。
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