日記4
今日、夢の中に昔付き合っていた彼が出てきた。
彼とは何もかも合わなくて別れた。人との付き合い方も仕事への考え方も、恋愛で重要視する点も。まあ、方向性の違いというものである。
これから夢の話をする。他人の夢ほど興味のない話題はないと思うが、ここは私の日記なので好きに書かせていただきたい。
彼は夢の中でこう言った。
「やり直そう。俺たち。きっとうまくいく。」
夢の中の私は彼に夢中だった。夢の中では彼に振られた。好きな人ができたと。彼はその子と付き合い別れ、また私の元に戻りこのセリフを言うのだ。夢の中の私は、このセリフでとても嬉しそうな顔をしていた。幸せすぎてにやける顔を抑えられていなかったからね。そしてよりを戻してこの夢はおしまい。夢の中の私はハッピーエンドだ。
だがその場面を客観的にみている私は、そのバッドエンドに、気分が悪かった。
何せこれは、現実で起こったことだからだ。
過去に全く同じ事が現実に起こった。いや、現実に起こった事を忘れられず、いまだに夢に見ていると言う表現が最適であろうか。
結果的に言うと、この後また喧嘩を繰り返し浮気まがいなことが起きて別れることとなる。
"恋は盲目"
まさにこの言葉が当てはまる恋をしていた。私には彼しかいない。彼がいなくなれば生きていけない。そんなことすら大真面目に思ってしまった。夜も眠れないほど恋焦がれていたんだ。
好きなのに、苦しくて仕方がなかった。
車の助手席から知らない香りが鼻を掠めた時も、知らないアクセサリーをつけてきた時も。
しかしある日突然気づく。これは恋ではない。執着だと。その瞬間、酷く安堵した。
もうこの苦しさが恋だと思わなくて済む。苦しいだけが恋だと認識せずに生きられると。
実は人生で初めて付き合った相手だから、恋は苦しんで当たり前のものと感じていたのだ。
執着と気付いてからはやることは一つのみ。その後すぐ別れを切り出した。
映画を観に行った後だった。全てが終わった瞬間心が軽くなった。やっと苦しみから抜け出せたからだ。
夢をみてここまで思い出してしまった。しかし、そんなことはもう過去。夢に出てきたからまた意識してしまうほど子供ではないのだ。
何故なら、今私には素敵な彼がいるからだ。
私のコンプレックスまでも好きだと言い、私が苦しい時一緒に泣き、支えてくれる人だ。
だからもうあなたは必要ない。
悪いがいつまでもあなたを好きな私はいない。あなたに執着した私はいない。
だからお願い、もう中途半端に私の目の前に姿を表さないで。まだ私があなたを好きだと思わないで。
さようなら。もう会うことのないあなた。どうか幸せに、それだけを切に願っています。
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