スカイウォーカーの夜明け、ひいてはシークエルへの憎悪が止まらない

まえがき


僕自身、コアだと大手を振って言えるほどではないが子供の頃からスターウォーズのファンだ。
初めて観たのはファントム・メナスだけど、公開をリアルタイムで追えたのはクローンの攻撃からだけど、のめり込んだ。
人生で初めて買ったDVDはシスの復讐だったし、小学校の図工の時間で絵を描かされたときもスターウォーズの絵を描いたように覚えている。

中高生になり、プリークエルが批判の対象になっていることは悲しかったけれど、プリークエルにはプリークエルなりの長所があると思っている。オリジナルと比べ圧倒的に洗練されたライトセーバー戦はジェダイの最盛期の凄みを感じさせるし、
曲線美を含んだ宇宙船や建造物は旧共和国時代の平和さを象徴している。
一般的にこの2点(特に後者)はオリジナルとプリークエルの時代ギャップ(作品内での時系列と、製作された時系列が逆であることによる矛盾)として批判の対象にもなるけれど、
帝国統治になることで失われてしまったなにか、という意味ではむしろノスタルジーを感じさせるものだと思っている。

シークエル(終わり)の始まり


もちろんオリジナルも大好きだから、
そこから続くシークエルが発表された時は震えた。
フォースの覚醒でルーカスフィルムロゴが映し出された時は体中の産毛が逆立つような鳥肌が立って涙が溢れたし、ディズニーロゴのオープニングを入れないという判断をしたディズニーも大好きになった。真にスターウォーズをリスペクトしてくれている!と思った。


フォースの覚醒


いや、これ自体は好きだった。
メンヘラが出てこようが、過去作と似たような星が出てこようが、僕にとっては新しいスターウォーズだった。
ルークでもレイアでもハン・ソロでもなく、アナキンでもオビワンでもパドメでもない、過去作の焼き直しではないキャラクター達に魅了されたし、このキャラクター達が作っていく新しいスターウォーズを観たい!と思わせてくれる作品だった。


最後のジェダイ


もはやスターウォーズではない、と思ったけれど、悪くない、とも思った。
もちろん許せないシーンもあった。レイアがフォースを使って宇宙空間を移動し生き延びるシーンとか、レイアがフォースを使って宇宙空間を移動して生き延びるシーンとか。
「ディズニーはフォースをただの魔法かなんかと勘違いしているのでは?」
いや、まだフォースの件は5億歩譲って許す。ギリ。
時間の経過によって、プリークエルやオリジナルの時代よりもフォースの力自体が伸びたという解釈も出来なくもない。いや出来ないか。
ハイパースペース特攻のシーンは輪をかけて許せなかった。
「それ出来るんだったらクローン戦争はドロイドやクローン使ってお互い特攻しまくりじゃないですか?」としか思えなかった。「感動げ」なシーンを作るためならもうなんでもいいんだな、って思った。

でも、前作で悪の大親玉として出したスノークをさっくり退場させたのには笑ってしまったし、今まで「結局あいつ一人がフィクサーでした!」って作品ばかりだった中でこんな事するのは挑戦的だな、とすら思った。
激怒している人は沢山居たけど、個人的にはまぁ許せるラインだったと思う。


スカイウォーカーの夜明け その①


そして迎えたスカイウォーカーの夜明け。
もうタイトルの時点で嫌いだった。
なーにがRISE OF SKYWALKERだと。スカイウォーカー姓のやつ生き残ってないやんけ、と思った。

もちろんJJが大変だったのはわかる。
・大風呂敷広げっぱなしのフォースの覚醒(これはJJ自身のせいだけど)
・好き勝手やった挙げ句ストーリーは進めない割に変なところで終わらせた最後のジェダイ
特に後者の影響は大きくて、前述のスノーク問題(スノークについてのネタバラシ的展開は不要になった代わりに、悪の親玉を仕立て上げなければいけなくなった)はだいぶ展開を縛ったと思う。
そりゃパルパティーン生き返らせるわな。
ぽっと出のキャラクターを黒幕に置いても「はぁ?」という感じだろうし。

とはいえトータル絶対に許せない作品になったし、シークエルなんかやらなきゃよかったのに、と思ってしまった。


スカイウォーカーの夜明け その② 褒めポイント


最初に褒めポイントだけ言っておくと、
・最終出撃前のポーの演説がよかった
    親たちの戦いを無駄にはしない、みたいな部分は、スターウォーズが積み重ねてきた歴史のおかげですごく厚みを増されたセリフになったと思う。過去作の同じような出撃シーンがフラッシュバックした。

・アダム・ドライバーはすげぇ
    さすがの演技力。あとはレン親衛隊との戦闘シーンはアクションとして好き。というか、普段コスチューム的なものを着てるキャラが普段着で戦うの好き、という個人的趣向(あれ普段着みたいな格好だったよね??)

以上。


スカイウォーカーの夜明け その③ 怒り


ここからは怒りポイントが並びます。書いてるうちにヒートアップしそう、、、、

・どっかで観たな、っていう展開ばっかり
    フォースでの宇宙船引っ張り合いはX MENダークフェニックスで観た(ジーンとマグニートーのヘリ引っ張り合い)し、
    チューイが生きてました!!(船取り違え問題)って展開ってどう?意外性も感動もなくない?「でしょうね」っだけじゃない??
    ラストの「More of us.」はアベンジャーズ エンドゲームの「On your left.」だった。
    SWのテーマを流されても、「わぁぁぁ、、、エンドゲームだぁ、、、、」って気持ちが勝ってしまって全然ノれなかった。
    どっちも別にパクリ展開とかではないと思うんだけど、プロットの安直さとかも相まってまぁげんなり。。。。。

・全体的にバカバカしい
    ファイナルオーダー、ですって。。。シラフで言ってんのか????飲食店か????

・感動「げ」にしたいだけの無意味な展開、もしくは哀れなC-3PO
    シス語を翻訳するのにC-3POの記憶メモリが消去されてしまう、、、、、みたいな展開があったけど、このマインドワイプ、過去作中で既に実行されてるんですよ、EP3で。
    ヴェイダー、パルからレイアを匿うためにベイル・オーガナが部下に命じてやらせてるわけ。
    なのでそもそも感動シーンになりえないし、仮に感動したとしてもあとから「記憶戻りました〜!」ってなったらげんなりしません??普通。返せよ!感動!ってなりません???しない???そうですか、、、、、

・レイとカイロ・レンはストレートにくっついたらダメでしょ
    これ、批評にあたってパシフィック・リム出してる方もいましたが、同作ではローリーとマコは露骨にはくっつかないんですよ。それでもパシリムは2人の間のなんとも言えない強い「愛」を表現してたと思う。
    JJエイブラムスは童貞なのか??と思うほど安易。キスって。安易。

・フォースの扱いは本当に「魔法」なんだね
    最後のジェダイはまだモラルのあるフォース描写だったな、と思ったくらいにはひどい。「物の転送」はさすがにダメじゃないですかね、、、、ライトセーバー転送してましたけど、、、、、

・最後の「名乗り」問題
    これ一番許せない。まじで。
    ラストにレイが名前を聞かれて、「レイ・スカイウォーカー」って名乗るんだけど、本気でこの脚本でいいと思った?
   パルパティーン姓は勿論シディアスの名でもあるわけだけど、その祖父から自分を守ってくれた親の姓でもあるわけで。
    最悪それを除いても、シディアスを倒したことで「血筋」との戦いに打ち勝ったわけですよ。
    今作はもうまんまジェダイの復讐オマージュだったけど、「自分の出自が何者か、ではなく、何を選択するか、が自分を定義するんだ!!」ってテーマは完全に新しいじゃないっすか。
    「息子が父親を超え、その姿を見て父親が本当の自分のあるべき姿を取り戻す」展開になってるep6との差別化に十分なりうるのよ。
    なのに「レイ・スカイウォーカー」って、、、、、
    自分の出自にコンプレックスありまくりじゃねーか!!しかも人の苗字勝手に名乗んなよ!!!!
    この展開のせいで、レイはパルの孫でした、ってネタが単なる「レイのフォースが強い理由」にしかなってないわけですよ。
    アレで感動した人がいるのか正直僕はもうわからないよ、、、、、、、


シークエルの評価

こうなってくるとシークエル全体の評価、見方が変わってくる。
こんなんが描きたかったの??
そのためにあれだけスターウォーズを蹂躙したの?
別にこれいらなくね?と思うような取ってつけたようなポリコレ描写とか、別にこれいらなくね?って思うような取って付けたようなジェンダー描写とか、
そういうのを飲み込んで観続けた末に待ってたのがこれ???
と悲しくなってくる。

カノン(正史)をこんなめちゃくちゃにするだけだったら最初から余計な三部作なんてやんないでくれよ!!!!!!!

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