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あの日の決意

あの冬の日。
パチン、と私の中で何かが弾けて、頭の中がぐるぐるして、離婚届を書きなぐった。
判を押して、親権を書いて、無我夢中で離婚届を書いた。
全てが終わる。終われる。
孤独を抱きしめながら過ごした日々。
食べる宛もない食事を毎日作って、作ったことを叱られて、泣いていた日々。
待っても待っても帰ってこず、連絡も一切なく、夜中に帰ってきた時に迎えたら文句を言われ。
「寝ないで待っているなんて気持ち悪い」とすら言われた。

私は何なんだろう?
私の存在って、何?
何のためにここに居て、この人の奥さんをやっていて、この人の子供を育てているのだろう?

毎日、代わり映えない日々をやり過ごして、○○くんのお母さんを演じて、愛想笑いでママ友と付き合い。
浅いコミュニティの中で、いつもいつも息苦しかった。
私が望んでいた未来は、ここにはない。

パチン、と何かが弾けた瞬間、心に思った。
『生まれ変わる。旦那を捨てて。子供達と未来を創っていく――――』と。

あの日抱いていた感情。
あの離婚した日に見た景色を。
私は忘れない。

心はズタボロで、泣いてばかりだったけれども。
涙の向こう側に見えたのは、優しい世界だった。

私は自由になれる――――。

輝かしい未来を望むのであれば、極論を選択しなければいけない時もある。
子供達から父親を奪ってしまったが、それ以上に私が子供達を守っていく。
覚悟と信念があれば、どんな時だって胸を張って生きていける。

自由になれるんだ――――。

ただその一心で書きなぐった離婚届。
扉を開けたその目の前には、想像を超えた素敵な世界が待っていた。

離婚するかどうかを迷っていたあの頃の私に伝えたい。

大丈夫。泣かないで。
素敵な未来が待っているよ、と。

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