【1日1事例】化学療法による味覚変化が栄養と QOL に与える影響: ―システマティックレビュー― #がん #化学療法 #QOL

参考文献:化学療法による味覚変化が栄養と QOL に与える影響: ―システマティックレビュー―
筆者:海津 未希子,小松 浩子
発行日:2018年
掲載元:日本がん看護学会誌 32 巻
検索方法:インターネット
キーワード:味覚変化,化学療法,栄養,QOL

要約
【目的】化学療法による味覚変化を調査した研究の詳細を評価し,レジメンによる味覚変化の特徴や味覚変化が栄養面や QOL に及ぼす影響を検討すること
【方法】
・対象者が 18 歳以上で化学療法中のがん患者,研究目的に味覚変化に関することが含まれ,査読評価を受けた英語もしくは日本語文献.
・対象者に化学療法以外の治療を受ける 患者が含まれる場合,80%以上の対象者が化学療法中であれば採択した.
・除外基準は,頭頸部がん患者を対象とした研究,質的研究,ケースレポート,臨床試験,シ ステマティックレビュー,ナラティブレビュー,専門家の解説,動物実験,学会抄録とした.
・2016 年 8 月に PubMed,CINAHL,医中誌 Ver5. を用 いて検索を行った(最終検索 8 月 24 日)
・化学療法レジメンの異質性を最小限にするために,検索対象期間は過去 10 年(2006~2016 年)とした
【結果】
・PubMed 115 件,CINEAL 69 件,医中誌 98 件,ハンドサーチ 3 件を候補文献とし、最終的に 24 件を分析対象とした
・レジメンにより味覚変化に特徴があることが示唆された.
・食べ物の不快な味,食べ物の味がしない,口内の苦味 などの質的変化は,食欲,摂取量,体重の低下と有意 関連があった。また,甘味苦味が鈍感になる患者では, 摂取カロリーと三大栄養素摂取の低下,体重低下が有意に認められた.
・味覚変化が増強し食欲低下が出現している患者,気分の落ち込み,悪心嘔 吐,口腔粘膜炎,ドライマウスなど他の症状がある患者 は苦痛が強く,QOL が低いことが示唆された.
・味覚変化と QOL の関係は,患者の状態や背景を考慮したアセスメントが必要だと考える.
【結論】
・レジメンにより味覚変化に特徴があり,特定の味覚変化と 食欲,摂取量,体重低下の関連性が指摘された.
・ 化学療法による味覚変化は心理社会的 QOLにも影響を及ぼすことが示唆された
【メモ】
・味覚変化は化学療法を受ける患者の 45%~84%に生じ ,脱毛や倦怠感に並ぶ悩ましい副作用である


調べた単語:「レジメン」
・食事療法、運動療法、医療行為などの計画、または行動指針の事
・がんの治療には多くの化学療法のレジメンがある
・レジメン作成とその管理システムを構築することで、抗 がん剤の過剰投与やヒューマンエラーによる医療事故を防ぐ効果がある

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjscn/32/0/32_32_kaizu_20171023/_pdf/-char/ja


http://www.twmu.ac.jp/CC/pdf/info_data04.pdf


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