【1日1事例】高齢者施設入所の高齢者に対する転倒予防介入と ケアスタッフ・組織への教育介入のエビデンス ~システマティック・レビューに基づく課題抽出~ #高齢者 #店頭予防 #高齢者入所施設

参考文献:高齢者施設入所の高齢者に対する転倒予防介入と ケアスタッフ・組織への教育介入のエビデンス ~システマティック・レビューに基づく課題抽出~
筆者:鈴木 みずえ、内藤 智義 、澤木 圭介、金森 雅夫
発行日:2020年
掲載元:日本転倒予防学会誌 7 巻 1 号
検索方法:インターネット
キーワード:転倒予防 システマティック・レビュー ケアスタッフ教育 組織介入
要約
目的:高齢者施設における転倒予防のシステマティック・レビュー(SR)を分析し,今後の高齢者施設における認 知症高齢者の転倒予防の方向性について検討する
方法:英文論文の検索は PubMed を用いて「fall & intervention & Elderly & review & Facility」と し,適格基準から SR を検索
結果:
・高齢者施設における要介護高齢者に対しては,転倒予防に関する効果的な介入として運動だけではな くバランス訓練も含めて 6 か月以上などの長期の介入が必要であり,単一介入や複合介入も含めた転倒予防介入は 転倒件数を有意に減少させていた。
・認知機能障害割合が 40% 未満の施設での転倒予防介入では転倒件数が高く,認知症である高齢者とそうでない高齢者が混在する施設での介入は介入の目的や方法も含めて注意が必要である
・QI(医療の質)の視点からの分析では、「チームの変化」が通常のケアと比較して有意な効果が認められた。
・ネットワークメタアナリシス(MA)では「ケアマネジメント」「患者へのリマインダー」と「スタッフ教育」 などが有意な介入であった
・転倒予防に関する質的な MAでは転倒予防の促進因子は「良好なコミュニケーション」 と「施設設備の有効性」,障害要因としては「提案された介入に圧倒され,フラストレーションを感じるスタッフ」 などであった
結論:
・高齢者施設における転倒予防では,高齢者の認知症の有無や心身の状況も踏まえて効果的な転倒予防介入を 組み合わせ,さらにケアスタッフが良好なコミュニケーションができるような組織体制を行うなど,エビデンスに基 づき対象者に合わせた介入方法とケアスタッフ教育と組織体制の両面を検討する必要性が明らかになった
調べた単語:「QI(医療の質)」
・Quality Indicator(クオリティ・インディケーター)
・エビデンスに基づいた医療(EBM)の実践度合いを測定するための指標
・構造(ストラクチャー)、過程(プロセス)、結果(アウトカム)の3種類に分類し測定する
1)医療施設の構造 <ストラクチャー>
ストラクチャーとは、施設・設備・医療機器・医療スタッフの種類や数に関するデータを指す
2)医療の過程 <プロセス>
プロセスとは、実施した診療や看護の内容に関するデータを指す
3)医療の結果 <アウトカム>
アウトカムとは、診療や看護を提供した結果に関するデータを指す
(例:痛み等の自覚症状、合併症、医療費、身体徴候や検査所見の異常など)


参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tentouyobou/7/1/7_33/_pdf/-char/ja

http://www10.showa-u.ac.jp/~hokubu/QI/about/index.html

 


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