【1日1文献】広範な左半球損傷を認めた重症例に対する食事活動に 焦点を当てたアプローチの経験#食事#活動#高次脳機能障害

参考文献:広範な左半球損傷を認めた重症例に対する食事活動に 焦点を当てたアプローチの経験
筆者:福山 千愛(OT)1),平田 篤志(OT)1),山口 理恵(OT)1),島田 眞一(MD)2)
発行日:2019年
掲載元:第39回近畿作業療法学会
検索方法:インターネット
キーワード:食事,活動,高次脳機能障害

【はじめに】 
・食事動作は自宅退院に影響する重要な因 子の一つである.
・しかし,脳卒中により複合的な症状 を呈した重症例の食事動作に対する実践は,病態解釈 のための定量的な評価が困難となり,介入に難渋する ケースが少なくない.
・今回,脳出血による広範な左半 球損傷の重症例に対して,食事の観察評価から症状の 分析を行い,介入を行なった.
・結果,代償方略の獲得 や活動能力の改善を認めたため,考察を加え報告する. 

メモ
・Sirigu ら(1995)は物品操作の把持・到達エ ラーに対しては体性感覚を用いた動作誘導が有効と報 告し,Roy ら(1991)は,失行の訓練は適宜声かけや 動作誘導を行う「誤りなし学習」が原則であると報 告した.
・本介入の環境調整は注視の感度と環境認識に 影響を及ぼし,さらにハンドリングによる視覚 - 体性 感覚フィードバックと運動のマッチング促進を反復す ることで,一連の食事活動を円滑に行うための代償方 略を獲得する契機となった可能性がある.
・また,意識 障害と重度失語を呈した本事例にとっての食事は,情 動に伴う報酬につながる活動であったことも影響した かもしれない.
・また,今回の事例については,適合す る検査バッテリーも少なく,改善自体が本介入による ものというよりは,自然回復の可能性もある.
・従って, 今後は類似事例について活動へのアプローチや活動観 察評価指標の検討を重ね,検証していきたい.

参考URL:
http://kinot39.umin.jp/pdf/abstract/O2-2.pdf 

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