作って、食べて、和らぐ心
寒い日が続き、身も心も少しガチガチな近ごろ。
今朝も、布団からなかなか出られない。
ふと、土鍋で炊いたご飯が食べたいと思った。
ちょうどいいことに、今日は3人ともお休み。
のんびり和食の朝ごはんといこう。
そう決めたら、簡単に布団から出られた。
まずは、お米を研いで水に浸した。1時間は浸したいところだ。この間に洗濯や簡単な掃除も済ませた。
さて、いよいよ土鍋にお米とお水を入れて点火。
ゆっくり沸騰させたいので、中弱火にした。
10分ほど経つと、グツグツという音とともに揺れ始めた。鍋から聞こえる音も懐かしく、温かい気持ちになる。蓋の穴から噴き出る蒸気。ほわっと、ご飯のいい香りがする。
あー、これこれ。
いい香り。
温かい香りに癒されながら、次はおかずを準備しよう。
冷蔵庫を開けて材料を物色。
メインのおかずは、生鮭の塩麹漬けにしよう。グリルに入れて焦げないように、注意しながら焼く。ふっくらプリッと焼けた鮭にも癒される。
あとは、やっぱり卵料理が欲しいな。
卵を3つ割り、白だし、塩、砂糖も少し入れた。お弁当を作っていた頃は毎日使っていた卵焼き器。かれこれ15年以上の付き合いだな。長年の友である卵焼き器を強火で熱して、油を馴染ませる。熱々のところにジャッーと卵を入れる。ひょいっと丸めて、ジャッーと再び卵を入れる。菜箸で突きながら火を通す。何度か繰り返して、だし巻き卵の出来上がり。我ながら美しい出来だ。
おあとは、お味噌汁。
お気に入りの出汁パックを使って煮出す。具は冷蔵庫の残り物から、もやし、小松菜に油揚げで決まり。お味噌はお手製のもので、手前味噌ですが、なかなか美味しい味噌なのだ。
副菜は作り置きのカブの葉炒め、きのこの味噌煮をそれぞれ豆皿に盛り付けた。
土鍋のご飯も炊き上がり、蒸らしも充分できているはず。
お茶碗、お箸なども用意して、作ったものを食卓に並べる。
そして、いよいよ土鍋の蓋を開ける。
ふわっーーーっと湯気が立ち上がり、ご飯の美味しい香りが広がった。
お米はふっくらと、つやつやに炊き上がっていた。しゃもじで返すと、みんなの人気者のお焦げの登場。見ているだけで、ほっこり、じんわり温かい気持ちになっている。
3人揃って、
「いただきまーす」
お味噌汁を一口いただき、ふっくらつやつやのご飯を口に運ぶ。
口の中で広がる香り。
最高だ。
これ、これ。
この瞬間を求めていたのだ。
ふっくらプリッと焼けた鮭、ごはん、出汁たっぷりの卵焼き、ごはん、お味噌汁、ごはん、カブの葉、ごはん、、と口に運びんだ。気づけば、みんなお替わりしていた。
それは、それは、大満足の朝ごはんでした。
なんて事のない朝ごはんだけど、いつもより少し手をかけて、ゆっくり作り、子ども達と一緒に食べる。これが本当に癒しになるし、力になる。気がつけば、ガチガチだった身も心も、ゆるりとほぐされている。
仕事や学校の疲れだったり、計画していた遊びが中止になったり、訳もなくモヤモヤしたり、思い通りにいかないこともある。
そんな時こそ、いつもより少しだけ丁寧に過ごして、心をほぐしてみる。自分の心がほぐされれば、大切な人の心もほぐれるはず。
小さな事だけど、大切にしたいな。
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