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くすり

幼い頃、よく体を壊しては母に病院につれられた。

当時はまだ予約の患者さんが優先的に診察されて、2時間なんて普通に待っていた。

そして、診察も3分とか5分でおわり、さて薬を貰おうとしても、そこでまた何時間と待たされるのです。

当時、自宅と病院が歩いてすぐの所にあり、一旦家に帰って過ごした後、夕方頃にまたとぼとぼと歩いて病院まで薬を取りに行っていた。

その、一旦家に帰ってからが少し厄介で。

子供の頃はテレビっ子だったので、教育テレビ(みなさんご存知とは思いますが今のEテレ)を見たり、お昼には笑っていいとも!を見て笑い転げたりしていました。もちろん、一応は病人なので大人しく寝てたりもしました。

時間がある程度空くので、その間だけでもと母親は私にむりやり常備薬を飲ませた。
錠剤を小皿でつぶして飲んだので、その苦さがとてもいやだった。良薬口に苦し、とも言うが、当時の私にとってはただ苦いだけの飲み物だった。
あまりにも嫌だった私は、こたつの下に頭を入れて、それを吐き出した。

母は形相を変えて私を怒鳴りつけた。

母的には、私のためにやった、という気持ちを裏切られた、といったところだったのかもしれない。

風邪をひくといつも母に怒鳴られたことを思い出す。トラウマだ。

そんな母親が亡くなって3年が過ぎた。

本来であれば線香をあげなくてはならないのだろうけど、私は体調を崩してしまった。

元々扁桃腺もちで、喉の痛みと熱が若干ある、というところ。

まだ病院に行けてない。1人というものは本当にしんどい。

またこうして誰に読んでもらおうと文章にしている。

私は、こういう時でさえ、「もっとしっかりしなきゃ」という気持ちになってしまう。
母親の尋常ではない怒鳴り声を思い出してしまうのだ。

これもまた一種のトラウマなのかもしれない。

傷つきながら生活してきた。

私には癒しが必要だ。

何かいいものを食べます。生きます。