ねこ

ねえおねがい話をきいてわたしの 話をきいてほしい でも話をきいてほしい のではなくて ただ話しているのをただ きくようにみていてほしい あなたにわたしは 届かない だ…

球体恐怖とミソジニー

「 中身が詰まっていて丸みを帯びた,弾力のある立体的な身体は母以外であってはならない,そして母なるものはすべて家の中に閉じ込めなくてはならない,無賃金で働かせる…

痕跡を走る

捌いた魚の内臓を棄てたごみ箱の中に 床に落ちた長い髪の毛をつまんで棄てる 棄てなかった世界の痕跡が強い光の中に 輝く塵のように舞う そこにわたしはいる 愛している…

わたしは行かなくてはならない

予告信号灯が青だったのでアクセルを踏むと蛇行した道の先にある信号は赤だった、わたしはアクセルに足をかけたまま信号を通過した。近隣住民の通報を受けた警察がやってき…

そのあとの湿度にゆれる

老いた愛を弔いにいく 真夏の湿度に濡れていく なまぬるい血がこそばゆい 汗よりも重く涙よりも鈍い 海よりもあたたかく雨よりもなじむ 鋭さが痛みと近いのならば言語とも…

蚕の死骸とただしい眠り

ざわざわと喧しい静寂の その音の粒を解像しようとしたとき 肌の下ではるか昔の指の記憶がよみがえってきたので 灰色の光とともに揺れる雨露を覗きこみただ風が吹かないこ…