言葉選び
幼い頃から本、に限らず文字が好きで、読めるものはなんでも読んでいた。お菓子を食べる時は、箱に書かれた原材料表示もくまなく読んだ。
長じて書くことが仕事になり、このような「読む」ことの蓄積が役に立っていると感じる。頭の中に言葉のストックがあるからだ。
私の仕事は翻訳。英文をインプットして、対応した日本語をアウトプットする。書かれていることの意味を理解したら、状況に最適な日本語を探してあてはめる。辞書に出てくる言葉がうまくハマらないときは、同じ状態をあらわす別の表現を探す。このとき、ストックがたくさんあると選択の幅が広がるので良い。
たいてい、言葉がどんどん浮かんでくるので、それをそのまま流しこんで文章にする。ときどき、浮かんできた言葉が若干うろ覚えというか、意味や使い方に自信がないことがあって、そういう時は立ち止まって調べる。
今日は、「ごくまれにしかいない才のある人」に対して「稀人(まれびと)」という言葉が浮かんだのだけど、自信がなかったので調べたら、こんな感じ。
折口信夫の用語だったとは。しかも「神」的な意味で、思ってたのと違う。これは使えないわ。
って感じで、聞いたことあるけどよく理解してない言葉って結構あって、確認してみるとなかなか面白いのでした。
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