読了。
取りあげているアヘン、カフェイン、メスカリンのなかで、違法なふたつは一般市民にはあまり縁がないけれど、カフェインには多くの人がお世話になっているだろう。
カフェインは、もともと植物が食べられないよう身を守るために生成したものだ。だが最近、花蜜に微量のカフェインを含ませて虫を誘引してもいることがわかった。カフェインを求めるのは、人間だけではなかったのだ。
コーヒーは15世紀までには東アフリカで栽培されるようになり、宗教儀式で集中力を高める目的で使われていた。17世紀にはヨーロッパで広く飲まれるようになり、人びとはコーヒーハウスで政治、文化、知的な議論を楽しむようになった。
生命を維持する食糧ではないコーヒーや茶にハマり、広大な農地と人手を割いて栽培している人間。人間は猫様の下僕とよく言うけれど、コーヒーや茶の下僕でもあるのだろう。