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店の中で書けない

だんだん、飲食店も通常の営業に戻ってきました。  

これで、天下一品のラーメンにアホみたいにニンニクを垂らしながら、脳内で「ククク……。まずはチャーシューをスープにどっぷり漬け、スープを3分の2ほど減らしたタイミングで……!かける……ニンニク!これがワシの嗜み方……!天一の……!」と大槻ごっこをいつでも楽しめます。

『一日外出録ハンチョウ』の読者じゃないとわかりませんねそれ。天一のニンニクは最高ということが言いたいのです(もちろんラーメン自体も最高です)。 

ただ、年末に食べた赤ん粉3辛はちょっときつかった。あれは本気でアカン子だった……。

ラーメン屋だけではありません。モスバーガーにも行けます。リンガーハットにも行けるし、松屋にも行けるのです。それはとても喜ばしいことです。

外食が自由にできるというのがこんなにも楽しいことだとは……。といっても、基本的にどこに行っても20分以内に店を出るんですけどね。

友達と行った場合は別ですが、お一人様だとできる限り早く立ち去るべきなのではないか、という心理が働くのです。例のアレの蔓延防止という観点からではなく、昔からそうです。

ずっと椅子に座ってスマホを弄ってTwitterを見ている客なんて、迷惑以外の何物でもなかろうと。あと、自分が見ている画面を他人に見られたくないという気持ちも多少ならずともあります。

別に見られたら恥ずかしい画面なんて、あんまり見ていないんですけどね……。あんまり。

たまに「あなたが興味ありそう」とか言って2次元世界の水着の女性が出てきたりしますが、あれなんなんでしょうね。興味があるなんて一度も言ったことないんですが、Googleアシスタントが勝手に持ってくるんですよ。まあ見るけど。


だもので、スターバックスなどでノマド的にノートパソコンを開いて、ドヤ顔をすることができない。

別にノマドワーカーではないからノーパソを外で広げる必要も、キーボードをカタカタ言わせてドヤる必要もないといえばないのですが。

何度かnoteのテキストを書いてみようと試みたこともあったのですが、他人がたくさんいるところでは、なかなかどうして書きづらい。

別に誰も見てはいないと思うし、どうせネット上に晒す文章なので、覗かれたところで問題はないのですけど。

これが絵だともっと厳しくて、漫画家の方が喫茶店でネームを描くなんていう話をよく聞きますが、凄いなあと思います。

自分はどうにも恥ずかしい気持ちのほうが勝ってしまう。これもやってみようとして喫茶店にタブレットを持ち込んだこともありますが、どうしても他人の目が気になって断念。なんかダメだ。

しかし、世の漫画家の方々は、公共の場で作品を書いていてもバレないものなのだろうか。

『こち亀』の秋本治先生が1日じゅう喫茶店でネームを書いていらっしゃるドキュメンタリーを視たことがありますが、近くにいる客に「両さんの眉毛みたいなの描いてるよ。あれ秋本治じゃね?」とひそひそ噂されたり、店員にサインくださいとか言われたりしないのだろうか。

矢吹健太朗先生は喫茶店であのエロい女体(中身は男)を描いていらっしゃるのだろうか。強えな。自分はラクガキ程度の絵ですら、知らない人に見られた状態だと無理。

画力がなくて恥ずかしいというのもあります。もし矢吹先生レベルの神絵師に転生できたら、外で堂々と18禁ものを描きまくりたい。ちくしょう(何に対して悔しがっているんだ?)。

大学生の頃に何度か漫画を描いたことがありますが、他人に見られるのがどうしても嫌で嫌で、わざわざ図書館のプライベートブースに行ったり、そのためだけにネットカフェに入ったりしていました。  

授業中に原稿用紙とペンとインクを持参して書いている人もいましたが、そんな豪気なことはまあ無理。

……というようなことを今まさに電車の中で書いているのですが、よく考えたらここだっていつ覗かれているかわかんないよなあ。でも、電車内でのスマホいじりは慣れているので、なんとも思わずスラスラ書ける。

飲食店での作業も単純に慣れていないだけで、回数を重ねれば堂々と書けるようになるのかもしれません。でもやっぱりあんまり長居するのもなあ……という感じで、今日も天一のラーメンは美味しかったです。

サウナはたのしい。