見出し画像

鳩たちとの共存

平和の象徴と呼ばれる鳩は、公園や駅前でよく見かけます。逆にいえば、公園や駅前じゃないところでは、あまり見かけません。

市営住宅の庭とかで見ることはまずないし、イオンの裏の搬入口とかでも見ない。

人間が暮らす上で、野生の鳩がいると面倒なことか多いのでしょう。確かに、車の運転中に道の真ん中で鳩が大勢で佇んでいたら困りますからね。

堂々と佇んでいられる公園などでは、あいつらは無造作に飛んだり跳ねたり歩いたりしています。

ひとりで延々と時間を潰す者もいれば、何羽かで何事かを無言で確認しあっている者たちもいる。また、鳩にもバカップルはいるらしく、まるで見せつけるかのように、お互いの顔を触り合っている。

それを尻目に人々は、ただただ気にせずに歩いて去っていく。

ドラえもんの石ころぼうしを被っているかのように、鳩たちはまるで誰にも気にされない。なんとなくそこにいて、別に好きでも嫌いでもない鳥類の一種でしかない。

実際、良い意味でも悪い意味でも、鳩が人間にワーワーキャーキャー言われている例を知りません。

カラスほど忌み嫌われているわけではないけど、インコほどの人気はない。そんな中途半端な存在がポッポさんたちである。

ポケモンでポッポがいちばん好きという人にも会ったことがないですし。

あまりにもマサラタウンの草むらに生息しすぎていて、「またかよ……しかもlv3とか育てるの大変じゃねえかよいらねえ」という気分になってしまいますものね。

ピジョンに進化してからは使いやすいんですけど、それまでが長いですから。いや、それは関係ないか。

今では禁止されていますが(というか平成初期の当時の時点でも、本当はダメだったんだろうけど)、小さい頃、おじいちゃんと一緒に散歩に行く時に必ず立ち寄る公園があって、そこにいる鳩たちに、食パンの切れ端をよく与えていました。

そうすると、普段はツンツンしていて、こっちを見向きもしない鳩たちが、めちゃくちゃ寄ってくるのです。

かといって、あいつらは別にデレているわけではなく、ただメシが欲しいだけ。

寄ってきたからといって、こちらに懐いてくれているわけではありません。インコみたいに、わかりやすくこっちのほうを向いて鳴いてくれたりなど、いっさいしません。

ある程度の腹を満たせば、ありがとうも言わずにどっかに行っちゃうのですが、あいつらのその奔放さも、どこか魅力に思えてしまう。

インコみたいに外見が綺麗じゃないし、むしろ野生のあいつらははっきりいって汚いのですが、愛着のようなものがある。

たとえ頭上に糞を落っことされようとも……。いや、糞はさすがに困るけど。

ただ、自分は落とされたことが今のところ一度もありません。落とされたという話はよく人から聞きますけども。そう簡単にクリティカルヒットするものなのだろうか。

車のボンネットにしているのはよく見かけますね。なぜかボンネット限定のような気がします。面積が広いぶん、しやすいのですかね。人間だって、便座はなるべく大きい方がありがたいですものね。

車の持ち主の方にとってはたまんねえでしょうが、個人的にはまあ大目に見てあげましょうよという感じで、弁護側に立ちます。

こんなふうに、鳩にわりかし好意的でいられるのも、幼い頃に餌をやった経験からなのかもしれません。今ではそういうことはできませんが。

数年前に訪れた、島根県の松江フォーゲルパークというところでは、鴨の餌やりを体験できるコーナーがありました。ああいうことを経験できる機会が、もっと増えてほしいですね。

まあ実際に獣害もあるので、鳩が人間に寄り付きすぎるのが好まれない理由もわかるのですが。難しいところなのですけども。

サウナはたのしい。