カバンでかっこつけない

レジ袋が有料化されてから、自分もエコバッグをよく持ち歩くようになりました。

柄などは特にこだわりがないので、よくわからない英語がプリントされたものをカバンに突っ込んでいます。

このカバンもまたシンプルなもので、「h」と謎のアルファベットの印字がさらっと付いているだけのショルダーバッグ。パレットで1500円とかで買った安物。

パレットというのは、ファッションセンターしまむらの西日本限定ver.みたいな店です。ファッションセンターしまむらと同じく、看板がレトロ風味。

毎日のように使うカバンは、ファッション性よりも機能性を重視したい。どうせ汚れるものですし。

以前からそうだったわけではなく、数年前までは、がんばってカバンでイキろうとしていました。でも、ことごとく、ろくにイキれていなかったように思います。

20歳くらいの頃にアメリカ村の変な雑貨屋で買った茶色いボストンバッグ的ななにかは、アメリカ村のセンスを絶対的に信じていた当時は、ちょっとオールディーズでかっこいいと感じていました。……あくまでも、当時は。

後年になって思い返せば、ただの古い在庫処分品を安値で買わされただけのような気がする。2年くらいで内側の布がペリッと剥がれ落ちて、まるで使い物にならなくなりました。

その後は、VISION STREET WEARのものをけっこう長く使っていました。

平成に育てられた昭和末期キッズの自分には、あのシンプルかつレトロなデザインは、突き刺さるものがあったのです。が、酷使しすぎて汚れまくってしまい、糸のほつれが目立つようになりました。

しばらくは、それも味だと思うことにして、俺はグランジスタイルを貫き通すぜ、という一心でぶら下げていたのですが、さすがに底に穴が空いて中身が飛び出してしまうとなっては、もはやカバンの意味がない……。

というわけで、お別れしました。若くほろ苦い匂いの漂う思い出である。スメルズ・ライク・ティーン・スピリット。

そんな経験をしたうえで、服や靴に関しては今でもそれなりに気にして選びますが、カバンでかっこつける日々はもう終わった。産業ロックはもう終わりだよ。これからはメイクも落としてインディーズで地道にやっていきます。なんのはなしだ。

ただ、ショルダーバッグであるということにだけはこだわっています。身体の後ろに荷物を詰め込むリュックは、持ち物を運んでいる実感がないのが不安なので、普段はまず使いません。ふつうの手提げ袋は、ひったくりが怖いので使わない。

そうなると、肩から腰にかけて身体にぴったりと巻き付けるのが最も自分に合っている。

これで万事OKなのですが、問題はエコバッグ。

いつも、折り畳んだ状態のものをカバンに入れて、レジで会計し終えた後に取り出して、袋詰めをするのですが、大量に買い物をした際などは、ショルダーバッグに詰め込むことができません。

なので、肩からバッグを提げつつ、手にはエコバッグを持っているという絵面になります。

カバンでかっこつける時代は終わらせたとか言いつつ、これはなんかダサい……ような気がする。というか、なんだか関西のおばちゃんっぽい。

自分は関西のおじさんになる前に、関西のおばちゃんになってしまったのだろうか。

嫌だ。

自分は永遠に14歳のサブカル小僧でいたいのです。たとえビールの糖質を気にするようになっても。ちなみに自分は、政府から特例で任命されたピーターパンなので、14歳でもビールが飲めます。

などと考えあぐねて幾ヶ月。……エコバッグにも穴が空きました。急遽、ドラえもんがプリントされたものに買い替え。

かっこつけるのはやめたので、これからはかわいい方向性で行きます。関西のかわいいサブカル小僧を目指そう。かわいいサブカル小僧ってなんだそれ。ゆめかわいいみたいなやつか?絶対に違うな……。


サウナはたのしい。