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本気じゃなくていい

今月のnoteのお題は「スポーツがくれたもの」なのだそうですが、えー、ありません。完。


……いや、それでは2行で話が終わってしまうので、つらつらと書きますが、何を隠そう、自分はスポーツ嫌いな子供でした。

高校で本格的に、ああ嫌いなのだと自覚できた時は、むしろ嬉しくなったほど。

そして、大学は体育系の科目は全く取りませんでした。出席さえすれば単位が貰えるから楽だと友達に誘われても、断固として取りませんでしたね。

以前もタラタラと書きましたが、自分は幼少時から、ボールを扱うということが非常に苦手でして。

まずサッカーボールを蹴り上げるということがどうしてもできず、小学校のソフトボールでは永遠にライト(いちばん下手な奴が追いやられるポジション)の位置でぼんやりと空を駆ける飛行機を眺める日々を過ごし、バスケのドリブルは3回が最高記録。

体育の授業のほとんどは球技なので、とてつもなく苦痛で、基本的にみんなが嫌がる持久走(とりあえず走り続ければゴールに辿り着けるし、短距離走と違ってタイムはあまり重視されないから)だけがわりと好きでした。

あとは、水泳はいちおうスイミングスクールに通っていたので、それなりにはできました。たぶん通っていなかったら全くできなかったんじゃないかと思います。

自発的に通っていたというよりも、どちらかというとアトピーの改善のためで、やる気があったかというとそうでもないけど、辞めたいと思うほどイヤだった記憶もないので、そこそこ好きだったんじゃないでしょうか。

当時の自分はとてもまあワガママで、イヤだと少しでも感じたらすぐに辞めましたから。

たとえば、剣道は見学の時点で何も楽しさを見出だせなくて辞めたし、公文なんか羽生さんに会えなかったからつまらない(当時、公文のテレビCMに羽生善治さんが出演していて、羽生さんが教えてくれるのだと勝手に思っていた)というとんでもない頭の悪い理由で、体験学習期間の初日で辞めました。

今おもえば、その期間だけでもちゃんとやれば良かった。いちおう体験したはずなのにほとんど内容を覚えていない。やってて良かった公文式、やってりゃ良かった公文式。

他に通っていたのは書道教室なのですが、これはなんと、12年も続きました。

すぐ辞めるか長く続くかが、すごく極端なのです。

長く続くところの共通項は「あんまりガチでやりすぎていない」ことでしょうか。

書道教室はおばちゃんが自宅でのんびりと運営していたようなところで、いちおう午後3時だか4時だかからスタートで、そこから1時間ほど書写をするという内容だったのですが、マシな時で数分、ひどい時で20分くらい遅刻することがありました。

それでも特に咎められることはなく、私語もOKで、実質的に30分くらいしか練習していないことや、逆に確実に1時間を超えていてもノリが良ければ続けたりすることもあって、だいぶユルユルでした。

そんな感じであっても、長いこと続けているうちに段を取り、そこそこ綺麗な字が書けるようになっていました。

高校生の終わり頃に取った2段が最終的な結果で、本当はもっと必死にやっていれば4段くらいまでは行けたのかもしれませんが、それだと続かなかったでしょう。

スイミングスクールの方はというと、本気で何も考えずに通っていて、毎週土曜日の夕方に泳いでいたのですが、水中では『YAT安心!宇宙旅行』(アニメ)が始まる6時までに家に帰らなきゃいけないということしか頭にありませんでした。

本当にそれしか覚えておらず、どんな先生がいたかも思い出せない。

ただ、これもまた、テキトーに習っているうちに泳げるようにはなっていて、体育は全般的に嫌いだったけど、夏場のプールの授業を苦痛に思うことはありませんでした。というか、あんまりプールの授業をスポーツと思ったことがなかったような気がする。

ちなみに、スクールでは定期的に試験みたいなものがあって、合格するごとにランクが上がって、新しいワッペンが貰えました。

同じレベルの子供たちを集めて指導するので、低学年でもめちゃくちゃ運動神経が良かったりセンスが良かったりする子はどんどんステップアップするし、逆に高学年でもなかなか上がれない子は、年下と一緒に教えを乞うことになります。スイミングスクールの世界に年功序列は適応されません。


自分は後者でして、5年生や6年生になっても、平然と4年生とか3年生の子と練習していました。でもそれをコンプレックスに感じたことは特にありませんでした。

桂さん(『YAT安心!宇宙旅行』のヒロイン)のツナギ姿を一刻も早く拝みたいということばかり考えていたのもありますが、先生が「早く進級しろ」とか言わなかった(もしかしたら本当は言っていたけど自分がろくに聞いていなかっただけの可能性も高いが……)ことも大きいと思います。

たぶんスポーツが嫌いというか苦手な人の多くは「勝たなきゃいけない」「本気でやらなきゃいけない」が前提にあるのが嫌なんじゃないかなあ。自分はそうですね。そういうのはプロの人だけでいいです。

ということは逆に考えれば、自分が唯一まともにやったスポーツである水泳からは、むしろ本気でやり過ぎないことも大事、ということを学んだ、といえるのかもしれません。

お、noteのお題に繋がりましたね。う、うん、 繋がったはずだ。たぶん。

で、今は泳ぐことが好きなのかというと、……別に好きでもないですね。だいたい、銭湯で泳ぐのはマナー違反ですから。京都の旭湯の水風呂とか広くて泳げそうではあるんですけども。

サウナはたのしい。