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コンカフェで夢の家族を

このご時世ですが、ここ数年はコンカフェという形態の飲食店が数多く出店しているのだそうです。

コンカフェとはコンセプトカフェの略で、ひとつのコンセプトで作られた飲食店のこと。

いちばんわかりやすい例でいえば、店員さんがメイドの格好をして「御主人様」などと言って接待してくれるメイド喫茶なのですが、昨今は多様化しており、メイド以外にもたくさんのジャンルがあるらしい。

店員さんがナースの服を着たナースカフェ、吸血鬼がいっぱいいるヴァンパイアカフェ、おもちゃ箱をイメージしたカフェ、本物のタレントがいるカフェ、CIAエージェントごっこができるスパイカフェなどがあり、全国各地のコンカフェを網羅したサイトも存在。こんなにも日本は変わっていたのか。

10年くらい前、京都の寺町通りにミリタリーカフェというのがあって、すぐに潰れてしまったのですが、あそこは時代を先取りしすぎていたのかもしれない。

一度だけ行ったことがありますが、かわいいお姉さんがメイド姿でエアガンを持って優しく接してくれるcute&wildな感じで、射撃ではなくダーツゲームをしました。

ダーツで勝ったら一緒にチェキを撮ってくれる、みたいなシステムだったと思うのですが、このチェキというのも当時としては先進的だったかも……。

地下鉄四条駅の出口から徒歩5分という好立地だったし、今やっていれば、けっこう流行っていたのではなかろうか。

同じくらいの頃に開業して2015年に閉店した、難波のまんだらけの上にあったお母さん喫茶「マザー」も、現代ならもしかしたら……と思わなくもありません。

自分は行ったことがなく、当時の友達から聞いた話でしかないのですが、店員さんが上品なマダムのように接してくれるというところだったそうです。

「あこがれのお母さん」がコンセプトだったそうなので、あくまで、早よ起きろとかいいかげんゲームやめれとか言う「うちのオカン」とは違う存在。

当時のなんば経済新聞の記事から引用しますが、「のんびりとくつろげて、安息の一時が得られるような『憩いのカフェ』を目指す」とあります。

それだけならふつうのカフェでも同じだと思うので、もう一発パンチがほしい。

バイトの募集要項には「あこがれのお母さんとしての立ち振る舞いができる方」とありました。あこがれのお母さんとしての立ち振る舞いとは、これいかに。

上品なマダムというのは確かにまあ、あこがれのお母さんなのかもしれませんが、他にもいろんなタイプのあこがれのお母さんがいると思います。

……となんかノリで書いたけど、自分は別にいないな、あこがれのオカン。

あこがれのオトンなら、『少年アシベ』の父ちゃんなんですがね……。  

父親にしたいアニメキャラランキングに全然でてきませんが、自分は断然、野原ひろし氏や碇ゲンドウ氏よりも、アシベの父ちゃんを選びますね。

そもそも親が大企業の社長で大金持ちなので、そこに入社すれば余裕で人生勝ち組確定なのに、地道に好きな大工仕事をやっているのがかっこいい。実はケンブリッジ大学を卒業しているので頭も良い。

たまに家を増築してくれるし(たぶんあれ違法だけど)、外国に別荘を持っていたりする、夢の父ちゃんである。

 
コンカフェという単語がなかった時代のメイド喫茶は、基本的には男性がターゲットだったかと思います。実際に自分も、オタクの男が行くところという印象がありました。

が、最近はそういう垣根はなくなっているらしく、店員が男装していたり女装していたりで本当の性別がよくわからない、ジェンダーレスカフェというものもあるようでして。

だとしたら、店員さんの中にお母さんもお父さんもいて、さらには兄や弟や姉や妹、いとこ、はとこ、じいちゃんばあちゃん、おじさんおばさん、法事の時しか会わない親戚、存在は知っているけど会ったことのない親戚、元旦那とか元嫁など、曜日ごとに違う関係性の家族が出勤してくるというのも……。

なんかもう仮面舞踏会みたいになってくるな、それ。でも面白そうだけどなあ、マスカレードカフェ……。あこがれの仮面家族を見つけよう。がコンセプト。

アシベの父ちゃんと一度でいいから一緒に酒を飲んでみたい。でも一度だけでいいような気もする。酒ぐせ悪そうだしなあの人。

あと、セーラーマーキュリーさんみたいな姉がほしいです。7歳の頃からの夢です。切実です。今も諦めていません。

サウナはたのしい。