見出し画像

動物に素直になれない

猫が好きなのです。

といっても、飼ったことは一度もありませんし、実際に毛並みをモフったことも人生で数回しかありません。

動物にあまり懐かれないタチのようで、基本的に警戒されてしまうんですよね。

それでも、たまに公園などで向こうから歩み寄ってくれる子もいるのですが、そういう積極的な子に出くわすと、今度は「い……いや別に、あんたに近づきたいとか思ってたわけじゃないんだからね」と2000年代のアニメのツンデレ美少女のごとく素直になれない。

結局は磁石のN極とS極のように離れ離れ。月と太陽のように永遠に近づけない。

堺市にある三宝バスセンターは大阪でも屈指の猫推し銭湯で、まず看板に招き猫のイラストがどーんと描かれ、実際にロビーに猫がいます。

何度か遭遇していますが、生来のツンデレが災いし、一度も触れたことがないまま。自分は片想いのままですが、三宝バスセンターは猫と触れ合える銭湯で、好きな人にはたまらんと思うので、ぜひ行ってみてください。

もっと近い場所にいる、うちのマンションの駐輪時にたまにいる猫たちには、週に3〜4回ペースで会っていますが、たぶん向こうからは認知されていないと思う。

あと、あまり人が来ない過疎っている公園に夕方以降に行くと、ベンチを独占している地元の猫に遭遇することがあります。

このときの猫の反応はそれぞれの性格によって違って、人が来たらすぐにベンチから退いて「どうぞ」とばかりにこっちを見る子もいれば、「ここは俺のテリトリーだ邪魔すんな」と威圧感あふれる子もいます。

どっちも楽しい。し、愛でたいのだけど、「ふ、ふん。なかなかいいとこあるとこあるじゃない……でもそこはあなたの席だから座ってなさいよ」or「こっちこそ別にあんたと座ろうと思ってないわよ」とやはり共存を諦め、遠巻きに眺めながら、静かに彼らの幸福と繁栄を願い、すごすごと公園を後にするのです。

なぜ素直になれないんだろう。教えてジーザス。自分の家は仏教ですけど。


素直になれないのは何も猫に対してだけではありません。犬もです。

ただ、犬には幼少期から現在までめちゃくちゃ噛まれた経験があるので、こちら側も警戒している節があります。

いい歳こいてオバケのQちゃんみたいで恥ずかしいんですが、犬には弱いんですよ。さすがに木に登って逃げることはありませんが、ドーベルマンを見かけたら木の陰に隠れるくらいにはこわい。

さほど大きくない犬なら平気なのですが、今度はこれまたツンデレを発揮してしまい、寄りかかる前脚をほどいてしまう。

わかってる……わかってるの……だけど彼を目の前にすると、つい気持ちと裏腹のことをしちゃうの……。ああッ!噛まないでッ……。やっぱいぬこわい。

動物とのコミュニケーションが下手すぎるんですな。そんな自分が安定した気分で接することができるのは、鳩くらいですかね。

基本的に鳴かないし、基本的にすぐどっかに行くし、今はどこの公園も餌やり禁止なので、直接的にやりとりすることもない。
 
ただ向こうはテキトーに来てテキトーに帰るだけ。こっちはテキトーに眺めるだけ。この薄っぺらい関係がいちばん好き。いやそれ、全くコミュニケーションになっていませんな。

実家にはセキセイインコがいるのですが、自分は週1くらいしか会わないので、お互いにもう何年も知っているはずなのに、照れて無言で見つめ合っています。

それでも「にーちゃん」という単語は覚えてくれているので、今のところ心がちゃんと通い合う動物はピッピたんだけのようです。

ああ……ムツゴロウさんのようになりたい。余談ですが、ムツゴロウさんは麻雀がめちゃくちゃ強いらしい。

サウナはたのしい。