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激安自販機には神戸居留地シリーズを

一般的に自販機のジュースの値段は120円から160円くらいが相場ですが、こちら関西では、ほぼ全品が100円や110円の自販機が当たり前に置かれています。

中には50円やら80円やらの価格破壊が行われているところなどもあり、さらには、10円とか30円とかの、もはや現代日本の貨幣価値からは考えられない激安自販機だってあります。

特に大阪市内でメジャーなのが「おいなはれ自販機」で、大きく描かれた50円玉と10円玉の横に、宝船に乗ったおじさんおばさんたちがちょこんと添えられたイラストが印象的。

大抵の場合は、値札が手作りの雑なもので、印字されている字体もバラバラ。印字ではなく、マジックなどで手書きで値段が書かれている場合や、中には値札そのものがなく、価格不明の商品まであったりする。

自分はこの猥雑っぷりが大好きで、偶然ばったり出くわした際には、ほぼ毎回のように観察し、よくピクニックウォーターを買う。

ピクニックウォーターというのは、岐阜県で採水されたミネラルウォーターなのですが、激安自販機の定番商品でして、だいたい60円で売られていることが多いですね。

あと、激安自販機の定番としては、ポカリス○ットのパクリみたいなポストニックウォーターや、お~○お茶のパクリみたいな緑色のラベルのお茶、ペットボトルはよくスーパーで見かけるが缶のほうはなぜか激安自販機でしか見かけない午後の紅茶ミルクティー(これはパクリではなくちゃんとキリンの製品である)などがありますね。

他には、平成初期によく見かけた缶のバヤリースとか、まだJKだった頃の安室奈美恵さんがCMに出演していたミスティオなんかも、しれっとラインナップされていたりして、なんかもうタイムマシンみたいな筐体もあり、これがたまらねえんですわ。

通常のドリンクのみでなく、酒屋の軒先によくある酒類の自販機にも目を向けてみると、これまた情緒を味わえる。

特に、安くてジャンクなワンカップとして名高い「のものも」があるとポイントが高し。

タカラ焼酎ハイボールとタカラ缶チューハイは、基本中の基本。安酒といえば、俺たちの宝酒造さんですから。

今はもう角ハイボールしか愛せませんが、かつてクズな呑み方をしていた頃は、それなりにお世話になりました。

缶チューハイの元祖であるタカラ缶チューハイは他のチューハイに比べてかなり辛口で、ずっと呑んでいると、ストロングゼロドライのどこがドライやねんと感じる程度には味覚が変わる。

あくまで個人の感想であり偏見ですが、ストゼロで宅呑みしてぶっ潰れる若者より、タカラ缶チューハイを歩きながら呑んでいるおっさんのほうがよっぽどヤバみがある。

ストゼロで満足しているようではまだまだ青い。ヤバみが足りない。まだ余所目を気にして日和っている。

まあ、タカラ缶チューハイの洗礼をひととおり受けた後、コンビニ各社の安チューハイへと移行してからが本当のサケ道なのだが。サ道ならぬサケ道。というかサケクズ道。

激安自販機に話を戻すと、兵庫県内においては、なぜかほとんどが100円未満で投げ売られている神戸居留地シリーズも外せない。

神戸旧居留地は、ヨーロッパの洋館を模したオシャレな建物が並ぶ映えスポットで、いい感じに派手で洗練された場所です。

対して、神戸居留地シリーズという飲料ブランドは、富永貿易というメーカーによる、シンプルなデザインのサイダーやコーラたちで、これらが激安自販機に並ぶとさらにチープさが増し、いい感じに地味な場末感を醸し出しております。

中でも凄まじいのが、はちみつレモン。かつてサントリーから販売されていた大ヒット商品と同名であり、パッケージも似ている。マナとカナくらい似ている。これ騙されて買った人が確実にいるだろ。

「はちみつ」と「レモン」を組み合わせただけの商品名だったので登録商標が取れなかったため、サントリー側は訴えることができないという事情があり、神戸居留地のみならず、各社から類似商品が出てしまい、とうとうオリジナルが駆逐されてしまうという事態に。

結果として、延べ100社以上にパクられ、市場にパチモンが溢れかえってしまったそうな。全盛期のたまごっちみたいだな。

似ているとはいえ、目の下にホクロがあるのがカナさんである、という見分け方があるように、神戸居留地のはちみつレモンはラベルの絵が他社よりもCGっぽいという見分け方があります。これがまた、CG黎明期っぽい絵でいいんだよなあ。2000年代のカラオケの画面でよく出てきた感じの……。

そしてもろちん、神戸居留地には酒類も用意されていまして、これがまた、いい感じに怪しげ。

ストロングゼロのパチモンは大手コンビニ各社も出しているし、そんなに珍しくもありませんが、ここから出ているものは「STRONG」の字体がほぼ同じ。

これも「STRONG」はただの英単語なので問題ないという判断なのでしょうか。特にレモン味の類似っぷりが凄い。うっかり本家と間違えて買ってしまいそうだ。

あと「素滴しぼり」という素敵なネーミングの低アルコール商品も存在しましたが、残念ながら終売。こちらはキリンの本○りのパチモ……、いや、オマージュだったと思われる。

最近になって後継の100%カジューハイが登場したということで、さっそく見に行きました。

おお、普通にオシャレなデザインだ。路線としては、サントリーのほろ○いに近いのだろうがパクリという印象はない。うーん、もっとパチモン感がほしいし、セブンイレブンの店頭に並んでいるせいでインディーズ感がない。

というかこれまで、神戸居留地の商品がセブンで売られているのを見たことがなかったのだが、もしかして今後メジャーになっていくのだろうか。

いつか神戸居留地が全国区で大ヒットしても、私ははちみつレモンや素滴しぼりの話をするぞ。スピッツのファンが初期の名曲『おっぱい』について語るように。……いや、それとはたぶん違うな。ていうかぜんぜん違うな。うん。

サウナはたのしい。