見出し画像

花束みたいな恋をした。

今更かよと思いつつ、花束みたいな恋をした。の感想を書きたいなと思って。公開前日というか1週間・・・・いや1ヶ月前からめちゃくちゃ気になってて公開日に観にいった。菅田将暉さんと有村架純さんが出演なんて、そんなの観ないわけにいかなかった。予告でさらに盛り上がって、ウキウキしながら観にいった。観賞後もとても心が切なくなって、自分の予想していた通りの感じだった。大好きで何度も観にいった。

どこにでもいる「ひねくれた」「サブカルかぶりの」大学生が責任感のある社会人となった物語だった。私はそんなふうに観ていた。
でも周りは「すごいわかる!いいな、あんな恋愛したい」と言っていた。
え、本当に?私はあの恋愛、化石だと思って観てた。

ツイッターを見ると、私は少数派の意見だったらしい。
結構痛いところ突かれてたと思うし、観てて恥ずかしいシーン(自分の痛いところめちゃくちゃ見せられてる!て思った)いっぱいあったじゃん。
て感じだったんだけども。

私はよくひねくれてると言われるし、めちゃめちゃ天邪鬼だなって自分で思うこともあるけど何度見てもあの映画は「めっちゃひねくれたサブカルもどきの大学生が社会人になって現実見せられて終わった話」にしか見えない。

その中で私たちが「あんなこともあったな」と過去の元彼や元カノを思い出して切なくなるのがあの映画の正しい(?)見方なんではないかと思った。
ひねくれてるかな・・・笑

これは考察じゃなくて感想なので、好きなシーンを書くと、

①大学生の時は「オレンジ色」の光が多かったのに、社会人になると「青っぽい」光が多い。
これは結構麦くんに言えることだけど、大学生の時は部屋とかファミレスとか夕日とか、全体的に柔らかくて温かみのあるオレンジ色の光が多かった。サブカルっぽいというか、絵に描いたような幸せなリア充描写にはそれがよく使われていたような感じがした。社会人になった途端、特に職場の色が蛍光灯の青ぽい光に変わった。ブルーライト浴びまくり。ストレス値も爆発。うなぎ上りって感じでこの表現がゾッとするくらい現実感あった。
素晴らしい・・・

②ガスタンクの動画
恥ずかしながらあーゆーの、私もやってた。
どこにも出さないし評価を受けることは決してしないくせに、「他とは違うんですよ」感を出すためだけの動画です。非常に素敵ですね笑 
社会人になったらそんな動画作ってたことは記憶の彼方にサヨナラって感じだけど、その表現もよかった。あんなの作ってる時間ないもん。
「社会に出るって責任」だからね。

③多分絹が浮気してる。笑
サブカル女子を気取っているのは承認欲求の塊ってことなんです。
私にはわかる!!!!なぜなら私も絹だったから。笑
承認してくれる男なら全然誰でもいいの。へえ、珍しいね。この言葉は恋愛の合図です。自分の点数がどれくらいなのかいつも気にしている、大学生ってそういう年頃だもん仕方ない。
社会人になって色々と揉まれるうちに気付いた。努力して他人から評価されたり、自分でも「これは頑張った」て言えるような何かがない限り人は承認欲求に身を任せて永遠に何かにすがってしまう。

あの映画は社会の厳しさと温かさを私に思い出させてくれた。
大学生の時の不安と自信の間で振り子のように揺れる自分を思い出させてくれた。純粋と汚れの間のような自分の学生時代を、もがき苦しんで何度も泣いた大学生の自分を思い出させてくれた。

結局今も何も変わらず大人になった。
自信と不安と、純粋と汚れと、厳しさと温かさの間にいる。
どうしたらいいのかわからずもがき苦しむ。
何度も後悔したり、何度も反省して前に進む。
それしかないのだ、そうするしかないのだ。
全然希望なんてない、むしろ絶望だらけの世の中を這いつくばりながら自分のペースで進んでいく。それでいい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?