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1月6日のアメリカ連邦議会襲撃事件と、心に留めておきたいスピーチ

1月6日に、アメリカ連邦議会をトランプ支持者が襲撃した事件が起こりました。
事件が起こるまでの経緯と参考文献の紹介、そして記事最後にて、差別や暴力やプロテスタント反対を訴えた心に残ったスピーチを紹介します。

アメリカ連邦議会襲撃前。

上院選は2020年11月のアメリカ大統領選挙と同時に行われましたが、ジョーシア州のみ、上院議席候補者が法律で規定の50%支持率を上回らなかったため、1月5日に再度決戦投票、という形になっていました。
もしジョージア州の上院議席でトランプ陣営の共和党が議席を獲得すれば、上院議席のパーセンテージはトランプ陣営の共和党が優位になります。そうなるとバイデン次期大統領は民主党であるのに対し、議会の上院はトランプ陣営の共和党が多数決を占める、という、ねじれの関係になってしまいます。

バイデン次期大統領(民主党)が今後、上院議席を収めるには、決戦持ち越しとなったジョージア州で残る2議席とも民主党議員を獲得する必要がありました。

ちなみに過去20年間、ジョージア州で民主党が上院議席を獲得したことはありません。

そんな中、米国での政治広告掲載停止中のFacebookが、上院議席決戦前のジョージア州に限って停止解除を声明。

そしてジョージア州の上院議席決戦投票が始まりました。

そして遂に民主党が、ジョージア州の決選投票で勝利。
米民主党が6年ぶりに上院主導権を奪還します。

ジョージア州の上院選決着を受けて、改めて全米中の政治広告掲載停止に戻りました。

トランプ氏の虚言などで、選挙に不正があったと信じたトランプ支持者無数が連邦議会に突入。

議会を占拠したトランプ支持者は議会にトランプの旗を垂らします。

あろうことか、警察がクーデーターを容認。
本来支えるべきバリケードをなぜか警察が解放し、クーデターの侵入を招きます

トランプ支持者に制圧された広場には、黒人リンチを象徴する輪縄が登場しました。

、、、という未曾有の襲撃事件が起こりました。。。

この襲撃事件を受けて各国首脳の反応を紹介します。


今回の襲撃事件は、トランプ支持者らが襲撃し警察がクーデターを容認。
事件逮捕者も2020年5月に起きたBlack Lives Matterの時よりもずっと少なかったことから、白人と黒人との差別が訴えられています。
以下に差別と暴力反対を訴えた、心に残るスピーチを紹介します。

2017年ゴールデングローブ賞受賞式でのメリル•ストリープの差別と暴力反対を訴えたスピーチ

【メリル・ストリープ、ゴールデングローブ賞受賞スピーチ訳】
(...中略)
しかし、私はこの年、あるパフォーマンスで衝撃を受けました。私の心にはそれが突き刺さったままです。良かったからではありません。いいことなんてまったくありません。しかしそのパフォーマンスは影響力があり、功を奏しました。意図的に作られた聴衆を笑わせ、敵意をむき出しにさせたのです。そのパフォーマンスがあった瞬間とは、我が国で最も尊敬される地位に就こうとする人物(トランプ前大統領のこと)が、障害を抱える記者の真似をした時のことです。その人物は、特権を持ち、権力を持ち、反撃する力もその記者よりはるかに上です。それを見た時、胸が張り裂けるような思いでした。今でも頭から離れません。映画じゃないんです。現実の世界の話なんです。

このような衝動的に人を侮辱するパフォーマンスを、公の舞台に立つ人間、権力のある人間が演じれば、あらゆる人たちの生活に影響が及び、他の人たちも同じことをしてもいいという、ある種の許可証を与えることになるのです。軽蔑は軽蔑を招きます。暴力は暴力を駆り立てます。権力者が弱い者いじめをするために自分の立場を利用すると、私たちは全員負けてしまいます。これは記者にもつながる話です。報道する力を持ち、いかなる攻撃があっても権力者たちを批判する、信念のある記者を必要としています。だから建国の父たちは報道の自由を憲法に記したのです。
なので私は、とても裕福なことで知られているハリウッド外国人映画記者協会のみなさん、そしてわたしたちハリウッドコミュニティのみなさんにこれだけはお願いしたい。私に加わって、ジャーナリスト保護委員会を支援してください。なぜなら、前進するためには彼らが必要になるからです。そして彼らは、真実を保護するために私たちが必要になるからです。
(日本語訳: The Huffington Postより)


2020年5月30日 アメリカ アトランタのキーシャ市長のプロテスタントへの訴え

(キーシャ市長のスピーチ内容)
私は4人の黒人の母です。一番上の子は18歳。ジョージフロイドさんの殺害のことを耳にした時、まず私はジョージさんの母親の気持ちになりました。続くアトランタでの暴動のことを耳にした時、私はプロテストに参加する高齢の女性のことを心配しました。あなたは一体どこにいるのかと。プロテストに参加する人は、家族が周りの人がどれだけ心配するかわかっていない。

あなたたちのやっていることはプロテストじゃないわ、これはアトランタ市の姿じゃない!こんなのただの破壊よ、カオスよ!
変えたいと思うなら、アトランタの50%以上を占める企業、住民、テナントのことを考えなさいよ、めっちゃくちゃにしてるだけ!家に!帰れ!家に、帰れ!そして11月の選挙に投票しろ!家に、帰れ!!


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改めて、アメリカに根強く続く白人と黒人との差別、民主主義の壊れやすさを目の当たりにしました
ジョー・バイデン次期大統領の就任式は1月20日ですが、それまで、そしてこれから、このような事件・暴動・黒人差別・警察による差別の容認のないことを祈ります。

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