旦那飯は韓国料理151夏はやっぱりビビンミョン/誰のための介護?のはなし
暑くなると、スルスル入る麺料理が多くなります。
初期認知症の母から、夜中や朝方の電話が頻繁になってきた。
大概「さみしい」「眠れない」が主な理由だ。
そもそも睡眠導入剤や睡眠薬を使って寝ていたが、認知症になってから睡眠薬を飲ませると、起きてもぼんやりしてしまい、認知症が加速される気がしたので、かかりつけ医に相談し、睡眠薬は胃腸薬と入れ換えて本人には「睡眠薬」だと騙して飲ませていた。
しかし、「眠れない❗️眠れない❗️」とどんどん昼夜逆転してしまい、夜中に目が覚めている上に時間の感覚がないから、お構い無しに電話してくるようになり、悪循環。
こちらも、わかっているけれど、頻繁になるとさすがにしんどい。
そんなとき、ある人から「もう高齢者なんだし、なんとか夜に寝たいと本人が願うなら、その通りにしてあげたらどうか。誰のために睡眠薬を使わないのかよく考えてみて」とアドバイスをいただき、ハッとした。
夜中に「ぐっすり寝たい」と思う母の気持ちよりも、「さらにボケられたら困る」という自分都合で睡眠薬を飲ませたくなかった事に気づいた。
誰のための介護?
誰のための睡眠薬?
睡眠薬を飲ませることで、もし認知症がさらに加速したとしても、母の「夜中にぐっすり寝たい」気持ちを満たしてあげることのほうが母も気持ちが安定するんじゃないかと考え直して、担当医に相談しにいった。
「昼間にできるだけ起こして、リズムを戻すことが大事」とのことだけど、平日水曜日以外はディサービスや訪問看護やらで、起きている。
家族も昼間は仕事でつきあえない。
それならと、また睡眠薬再開することになった。あくまでも昼夜逆転の睡眠障害を直すために飲ませることに。
先生いわく「睡眠薬を使って怖いのは、フラフラして転けることやから、早い時間に飲ませて。」とのことで、夜9時に飲ませることに。
毎日夜には娘が足湯をしにいってるので、そのタイミングで飲ませてみた。
さっそく一時間後くらいに「みんな家にいるか?」と確認して安心したのか「ほな寝るわ」と電話が切れた。
それから電話はなかった。
昼前に電話してみたら
すごく元気な声で「よ~寝られたわ❗️よかった」と喜んでいた。
あ~、やっぱり。
本人は、認知症でいつも不安一杯なのに、さらに眠れず辛かったな、ごめんね。
しっかり気持ちを満たしてあげることのほうが認知症は進まないんじゃないかと思えた。
それほど母の声は元気で晴れやかだった。
いかにも、相手のことを考えていそうだけど、よ~くみつめたら、自分のためだった。
どこまでも相手の気持ちになりきることって、ほんとに難しい。
だけど、とても大事な事だ。
私は元来「思い込み」が激しい方で、何度もそれで失敗してきた。
それが嫌で、自分を変えていこうとしている最中だ。
今回のことも「睡眠薬は認知症が進む」と思い込んで、母の気持ちはおざなりになった。
もう、この手の失敗は本当に最後にしたい。
介護の主役は母なのだから。