見出し画像

韓国料理を美味しくする秘訣それは、手の味「ソンマッ」

うちの旦那はコロナで無職になって以来、自宅専用シェフをしてくれている。本業はベーシストだが、韓国料理を作らせたらなかなかの腕前なのだ。
食べた人からは「韓国料理店したら?」といわれるが旦那いわく毎回同じ味が出せないからできないらしい。
たしかに、ウマイを外さない範囲ではあるが、微妙に味がちがう。彼は職人気質なため、中途半端なものは出せないだろう。
店はできないが、レシピは動画かnoteにでもアップする予定だ。

そんな、旦那は一緒に暮らす数年前まで、いや韓国に住んでいた頃から料理はしたことがなかった。しかし、日本に住んで「韓国料理が食べたい!」その思いが彼を変えたらしい。私がいくらレシピを見て作っても本場の味を知らないから旦那には物足りないのだ。だからオンマ(お母さん)の味で育った旦那が作るほうがいいに決まっている。そしてそれは、大正解だった。

画像1

やはり日本人が作る韓国料理は、本場と味が違う。当たり前だが日本人に食べやすい味だ。
キムチが特に違っていて、本場は深みがあり、しっかり発酵している。シュワシュワ~っといかにも発酵してます❗️と旨味を主張してくる。熟成が進むと酸っぱくなるがそれがまた、たまらなくウマイ。
日本のキムチにはそれがない。あっさり浅漬け風だ。

特にうちのオンマのキムチは、世界一美味しい❗️あれを食べてから私は日本で市販されているキムチは食べられなくなったくらいだ。

そして、韓国料理には欠かせない「ソンマッ」手の味がある。
食べるひとのことを、想いながら真心をこめると手からそれが伝わって、さらに美味しさが増す。
韓国料理は、包む、混ぜるが多いが、混ぜるとき器具を使うとおいしくなくなるらしい。だからソンマッ、手の味が必須なのだとか。

画像2

韓国に行くとオンマは朝昼晩ずっとご飯を作っている。日本から来た私たちに美味しいものを食べさせたい気持ち。これが何よりの美味しさのもと。
子供に韓国へ行ったら何を食べたいか聞くと、口を揃えて「おばあちゃんのごはん❗️」というほどだ。
料理上手なオンマのおかげで、味を覚えている旦那は美味しい韓国料理が作れる。実にありがたく感謝である。

韓国料理は手間のかかるものが多い。漬けこんだり下準備が必要だったりするから時間がかかる。
「家族のためならやれるけど、商売ではできない」と旦那がポロっと言ったことがあった。

それくらい精魂込めて作るだけあって、キッチンが戦場と化す時もある。
「手伝う?」と聞こうもんなら
イライラしながら「ぼくがするから!」と一言。
神聖なキッチンに入るな❗️と言わんばかりだ。
だが、それだけ美味しいものを食べさせたい気持ちが強いから、そうなっているのだ。それがわかるまでは、機嫌悪くなるなら作ってくれなくてもいいのにと思ったこともあった。

しかし、彼の一生懸命な姿からあることを思い出していた。
若い頃メンドクサイと思いながら父のご飯を作っていたら
「ワシはエサは喰わん」といわれたことがあった。
せっかく作ったのに嫌なら食べるな!と逆ギレしたが、今思えば、確かにエサだった気がする。
食べさせてあげたい。食べてほしい。という料理に一番大切なエキスが一切入っていなかったのだから。
時短で、簡単、楽チンなど自分のことばかり考えていたなと猛省した。

それからは、キッチンが戦場と化しても見てみぬふりをして、出来上がりを楽しみに待つだけにしている。

最近このオンマの味を、子供たちが継承し始めている。
味はもちろん、「ソンマッ」の大切さをしっかり身につけてほしいと思う。

食事を作るときは気持ちをこめて。食べるときは楽しく、おいしく。
家族揃って食べられること、それが一番。


今夜は何を食べさせてくれるのかな~、楽しみだ❗️

サポートなど恐れ多いですが、気に入っていただけたなら、幸いです。