見出し画像

奇跡の出会いは本当にある! 2


韓国映画の挿入歌がきっかけで、異国の大好きなバンドのメンバーと知り合うことができた。それだけでもなかなかレアな出会いだと思うのに、それはただの序章だった。

J君が夏の京都に遊びにきてから、もう、そうそう簡単には会えないと思っていたが、予想はあっさり裏切られた。今度はメンバーでギターのC君を連れて12月にまた遊びにきたのだ。東京経由だったが、深夜バスで早朝の京都についた彼らの第一声は「さむい!」だった。極寒の国の人が京都を寒いという。

そんなことよりも、私には動画や韓国のテレビで見た人がまたひとり現実に目の前にいる!夢のような瞬間だった。自己紹介して、私が予約したホテルにチェックイン。あの頃はまだ外国から宿の予約はしにくかったから、代わりに予約だけしてあげたのだ。

嬉しい事にC君もコチラが話す事はなんとなく理解できるようだった。(日本のドラマの影響だが)
またもやてんこ盛りの観光コースでおもてなし。
北野天満宮で紅葉をみてうどんを食べて、平安神宮、三十三間堂、京都国立博物館、高台寺ライトアップに祇園でしめた。

C君もとっても気さくないい人で、何よりイケメンだ!そして、昔の大河ドラマ「新選組!」が好きで、興味があったようなので翌日には「池田屋跡地」や、ゆかりの場所をまわり「ここを龍馬が歩いたかも!」とかいいながら、異文化コミュニケーションを楽しんだ。

画像1

そして次の年3月に私が韓国へ遊びにいく事になった。
初めて一人でいく韓国だったが、宿まで行けば日本で友達になった韓国人のみんちゃんが居てくれるから心強かった。その日は明洞と東大門でみんちゃんと買い物を満喫。翌日は宿から近い南山タワーに二人で登り、そこでC君と落ち合うはずが、待てど暮らせど来ない。外は吹雪になってきた!待ち合わせ時間が過ぎたからおかしいと思い連絡するとC君は笑って「今すぐ行きます!」と言った。まぁ、夜型のミュージシャンと午前中に会う約束をするほうが無茶だった。
なんとか私とみんちゃんはC君と合流に成功。参鶏湯を食べた。
「遅れちゃったしどこでも行きたいところに連れて行くよ」といわれ、当時ハマっていた「コーヒープリンス1号店のハンソンアジョシの家!」をリクエストした。そこはロケで使ったままで残っていてカフェになっていた。
しかし、場所がわからない。C君の車にはナビがない!ガラケーでは検索できる時代ではなかった。
う〜んどうしたらいいかと困っていたら「ボクの車にナビはないけど、ボクには『人間ナビ』がいるから大丈夫!とおもむろにどこかに電話している。『人間ナビ』に道を尋ねたらしい。しかし、それでも何度も道に迷った。「もう一回」という韓国語を覚えてしまったくらいだった。
そこで彼は一言

「人生はUターンできないけど、ここはできるよ!」
こんなときに思わぬ名言で、思わず笑った。

なんとかお店にたどり着いた。
見ていたドラマのまんまで、テンションがあがった。韓国はドラマのロケ地とかが沢山あるので、それも面白かった。
それから三人で楽器の問屋ビルで私が探してるギターのストラップを探したが、なかった。日本にないものが、韓国にあるわけない、と言われ、妙に納得。

そのあと仁寺洞にいって、食事をごちそうになった。そして最後に夜の清渓川を散歩したが、寒すぎて途中で断念。そのとき仕事で来れなかったJ君から連絡が入った。「もう宿に居ますか?」
彼の言葉に思わず私は泣き言を言っていた。

実は今回、安上がりの旅にしようと個人で航空券を買って、宿も調べて予約したのだが宿が予想以上にすごいところだった。あのとき一泊2000円くらいだったと思うが、トイレットペーパーが流せなかった。布団しかひけない狭い部屋で、キャリーバックを広げる事ができなかった。極寒なのにシャワーのお湯が弱く、ぬるいのにオンドル(床暖房)は熱すぎて眠れず…。唯一よかったのは、宿では日本語が通じたことだ。
それを聞いたJ君は「今すぐ宿を引き払って、途中までC君に乗せてもらって来てください、僕の家を使ってください」と迎えにきてくれた。彼が救世主に見えた。
彼の家は使ってない部屋があって、その一部屋を貸してくれた。お~、快適。ありがたや~!
シャワーもちゃんとお湯が出るし、トイレットペーパーも流せる。オンドルもいい感じだ。何よりも家が広い!そして風邪気味だった私に風邪薬を飲ませたり、本当にいろいろ親切にしてくれた。おかげで風邪もよくなった。

次の日朝からブデチゲを食べさされ、湖までドライブに連れて行ってくれた。弘大、漢江クルーズ、63ビルの絶景の夜景、焼き肉屋さんでの久々の再会、初チムシルバン、スーパーでの買い物、帰るまでの短いけど、のんびりした時間、空港まで見送りにきてくれて、本当に至れり尽くせりだった。

それからその年の夏にまた私が友達と一緒に韓国へ行き、10月にはJ君が日本にやってきた。
そうやって日本と韓国を行き来しているうちに、いちファンから本当の「チング」友達になっていた。


つづく

サポートなど恐れ多いですが、気に入っていただけたなら、幸いです。