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納品した記事が著作権法違反などの目的で使われている!気づいたときの対処方法は?

ライターがクラウドソーシングなどで記事作成依頼を受けるとき、クライアントから記事の利用目的を告げられないケースがあります。
特にクライアントが著作権法違反などの違法な目的を持っている場合、ライターに隠して依頼して違反行為をさせ、納品を受けた記事をそのまま公開してしまうるケースも少なくありません。ライターが後からコピペをさせられたことに気づき、びっくりしてしまいます。

このように「納品後に記事の問題に気づいた」とき、ライターとしてはどのように対応すべきでしょうか?

もちろん悪いのはクライアントです。ライターとしては騙された気持ちになるでしょう。しかし依頼時には気づかなかったなら、放っておいてもライターに何の責任も発生しないのでしょうか?

今回は納品した記事の間違いに気づいた場合や違法な目的に使われている場合の対処方法を解説します。

1.クライアントによる違法な依頼の一例


クライアントによる違法な依頼にはどのようなケースがあるのでしょうか?

以前、このような事例を耳にしたことがあります。

クライアントがあるライターさんに「このサンプル文章通りに記事を書いてほしい。関連商品がたくさんあるので商品名や価格やキャンペーンなどの部分を調べて変えて、文章の流れなどはサンプル通りで同じでいいです」と依頼してきました。
基本の文章をコピーするだけなら簡単ですし、報酬もそれなりに高かったので依頼を引き受けて一生懸命たくさんの記事を書き、期限内に提出してきちんと支払いもしてもらえました。

ところがライターさんは、納品後にクライアントから提示されたサンプル文章とそっくりなサイトを見つけます。なんと、クライアントは別サイトの文章をコピペしたライターに「サンプル」として提示し、ライターに大量のコピペ文章を作らせていたのです。

そのクライアントのサイトはドメインパワーも強く、かなり上位に入って目立ってしまっています。ライターとしては、「いつ元のサイトの筆者が文句を言ってくるのか」と恐れて過ごす毎日です。


上記のようなケースで、ライターに何らかの責任が及ぶ可能性はないのでしょうか?

2.著作権法違反(刑事)になる?逮捕される?


他人の文章を勝手にコピペして公開すると著作権法違反となります。刑罰はどのくらいになっているのでしょうか?

実は著作権法違反の刑罰は非常に重いです。身近なところでは名誉毀損罪や業務妨害罪、窃盗罪などより重罪です。

著作権法違反の罰則は、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金刑となっています。

では納品した記事が勝手に著作権侵害に使われた場合でもライターが逮捕される可能性があるのでしょうか?


納品後に著作権法違反に気づいた場合には、基本的に著作権法違反で処罰される可能性は低いです。なぜなら著作権法違反は「故意犯」だからです。「故意」とは「わざとやってやろう」という認識です。
つまり「行為時にわざとやってやろう」という気持ちがなかったら刑事責任は発生しません。
ライターが記事作成時に著作権侵害に気づいていなかったら著作権法違反で逮捕されたり処罰されたりする可能性はありません。

3.逮捕されずに済んでも刑事事件のトラブルに巻き込まれる可能性がある?


そうはいっても、ライターに故意があったかどうかは元の筆者や警察にはわからないことです。元の文章の筆者がコピペに気づき、サイト運営者を訴えたらどうなるでしょうか?
悪質なクライアントの場合「私はコピペ禁止していたのですが、ライターが勝手に他サイトをコピペして提出しました。私は知りません」などと説明するかもしれません。
そうなるとライターが疑われて事情聴取を受ける可能性があります。きちんと依頼されたときの資料(クライアントからの指示内容)など提示できなければ、ライターまで逮捕・起訴されるリスクが発生します。


4.民事で損害賠償請求を受ける可能性は?


著作権法違反の行為をすると「損害賠償責任」も発生します。著作権者は著作権侵害によって受けた損害を侵害者へ賠償請求できるからです。
民事の損害賠償責任は「故意」だけではなく「過失」があった場合にも発生します。
ライターが、依頼を受けた当時にきちんとサンプルがコピー文章ではないか確認しなかったことが過失ととらえられる可能性は十分に考えられます。また気づいた後も対処しなければ悪質とみなされる可能性があります。
ライターにも著作権法違反の責任が発生してしまい、筆者から損害賠償請求を受けるでしょう。そうなったらクライアントからもらった報酬以上の支払いをしなければならない可能性も発生します。

5.依頼が来なくなってしまう?


法的責任だけではなく事実上の不利益も受けます。
「著作権法違反で損害賠償請求を受けたライター」などということが大っぴらになってしまったら、その後警戒されて誰も依頼してくれなくなるでしょう。
せっかくライターとして頑張っていこうと思っていたのに、今までの努力が水の泡です。

6.違法な目的に使われていると気づいたときの対処方法


もしも納品した記事が著作権法違反などの違法な目的に使われていると知ったら、以下のように対応しましょう。
6-1.事実確認をする
まずは事実確認を行いましょう。ライターが勘違いしているだけで、実は違法ではないケースも考えられます。いきなりクレームを述べたり差し止めを求めたりすると相手が感情を害してトラブルになる可能性があります。

具体的には「公開されている記事は〇〇のサイトのコピーになっていませんか?」「あなたはそちらのサイトの権限も持っておられるのでしょうか?」などと尋ねてみましょう。
相手が権限を持っていないなら「それでは著作権法違反になるのでは?」と質問を投げかけてみると良いでしょう。

6-2.記事の公開停止を要求する
クライアントが対象サイトの権限を持っておらず著作権侵害の疑いが強いのであれば、すぐに記事の公開停止を申し入れましょう。
「このままではあなたも私も著作権法違反で訴えられる可能性があります。そうなったら多額の賠償金を払わねばならないかもしれません」
「あなたには刑事責任を問われるリスクもあります」と伝えてサイトを非公開にするよう求めます。

相手が対応しない場合には、内容証明郵便を送ってサイトの公開停止を求めましょう。

6-3.クライアントとのやり取りを保存する
クライアントから違法な依頼を受けた際のやりとりや差し止めを求めた際の記録はすべて保存しておく必要があります。
依頼時に、相手がきちんと説明せずに「こちらのサンプル文章をコピペして使ってください」などと指示しているメッセージの画面をスクショやプリントアウトなどの方法で証拠化しましょう。その後の相手とのメールのやり取りも消さずに保存し、プリントアウトしておくと安心です。

このくらいの対応を行っておけば、後にトラブルが発生したときに「ライターとしては最大限対応した」証拠を残せるので、責任を問われるリスクはほとんどなくなるでしょう。

フリーランス業を行っていて直感的に「あれっ?これは大丈夫なの?」と感じることがあったなら、それ以上踏み込まない方が安全なケースが多数です。困ったときには周囲の誰かに相談してみてくださいね。一人で「大丈夫だろう」と思って突き進むと、いつのまにか大変なトラブルに巻き込まれる危険があるので、くれぐれも注意しましょう!

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