外で肉を焼く

長年の疑問なのだけど、みなさんほんとうにBBQって好きなんだろうか。
好きですか?

夫の友人(とてもよい人)がおそらくたぶんBBQが好きらしく、気候が良くなると、「BBQしようぜ」と誘って下さる。
ごめん、間違えた。
気候が悪くても誘われてるんだった。
酷暑の最中とか、台風が直撃するであろうある日とか。とか。

彼の奥さん(とてもよい人)曰く彼は、「ホームセンターに行くとすぐBBQのアイテムを買ってくる」らしい。
でしょうね、と頷けるくらいにお友達宅にはアウトドアグッズが潤沢にある。
食器一式、折り畳みの椅子、折り畳みの長いす、机がたくさん、ランタンに、肉を焼くためのあれこれ、キャスター付きのクーラーボックス、まだまだあれこれ。世の中にはこんなにもBBQをするためのものが溢れているのね、と無知な私は純粋に驚く。

因みに、場所は大抵、彼の自宅なのだけど、自宅で肉を食べるのにこんなにも道具がいるなんて贅沢な遊びだなぁ、と思えてならない。
フライパンでさっとあぶったらよいのにねぇ、私、お料理嫌いじゃないし言ってくだされば全然やるのだけど、空調の整った室内で日焼けの心配も、風で皿が飛ばされる心配も、暑さも何もかも忘れてお肉を食べたほうがおいしいような気がするのだけど、なぜ外で肉を焼くのかしらはてさて、と毎回疑問が付きまとう。
べつに、激しく不満というわけではないし、今日はこんな仕様でごはんを食べるのね、と素直に受け止める心地もあるし、これはこれで楽しいような気もするねぇ、と楽しむこともできる。私は柔軟だ。
でも、ただ、疑問なのだ。

みなさんほんとうに、好き好んであえて、外で肉を焼いているのか。


外で肉を焼くには、火をおこしたり、外用のいろんな支度やセッティングをして、子どもたちの食事回りの色々を用意しなくてはいけない。
そして、食べた後はレジャーシートだ、椅子だ、真っ黒になった野菜くずや肉片、焦げた網だの鉄板だの、そこかしこに散らばる小さなごみや缶やあれやこれを集めて集めて片付けて片付けて、ようやく終わりが来る。

全体の分量として、大儀なことがほとんどに思えてしまって、こんなに大儀なのに、それでも外で肉を焼くことの理由って、なにかよほどの重大さがないとなかなか追いつけない。

実は見えない何かに突き動かされて、ついつい外で肉を焼いている、ということはないかしら。

因みに、テントを張ったりするキャンプに関しては全く別物と思っていて、とても素敵な試みだと思う。
肉を焼くとかどうとかの前に、テントで寝るのはロマンティックだし、星もたくさん見えるだろうし、飯ごうでごはんとか炊きたいし、不便の中でどれだけ快適に過ごしたり食べたりするか、という試みは創意工夫にあふれている。
いつか体験してみたい、と思うと同時に諸々の装備のことを思うとやはり大儀が勝つのだけど。

#エッセイ #BBQ #肉 #育児 #子育て



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