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ぴかぴかの彼女

保育参観へ行くといつもみんなが美しくて驚く。
みんな、とは、保護者の皆さんだ。
皆さんいつも、本当にきれい。

そして、毎回、思うのが、ああ、ぴかぴかだなぁ、ということ。
本当にぴかぴか、なのだ。
きれいにお化粧をして、きれいなお洋服を着て、きれいな靴を履いて、きれいな髪の毛でやって来る。
子どもたちはみんなさぞかし嬉しいのだろうな。ぴかぴかに光って、ぱつんと膨らんだお母さんはきっと自慢のお母さんだろう。

ぴかぴかの彼女たちを見ていると、まだ誰の母親でもなかった、ただの女だった頃の彼女たちを思うのだ。
誰かと恋をしていた頃の面影を勝手に探し出して、胸の奥がきゅんとなる。
ぴかぴかにお化粧をして、デートをして、うふふ、と笑っていた横顔を思うのだ。
ふとした仕草や横顔に恋をしたであろう男性の嬉しそうな横顔まで浮かんでくる。

みんながただの女だった頃、誰かを選んで選ばれて、睦みあって、こうして子どもを産み落として、いつの間にか保護者になって、ここに座っているのよなぁ。
すっかりお母さん、みたいな顔をしいてるけれど、みんな誰かの愛しい女性だった頃があって、きっと食事をしたり、映画を見たり、笑うだけで男性を喜ばせていた頃があったのよなぁ。
なんだかみんなが急に色っぽく見えて、艶っぽく見えて、みんなを抱きしめたい気持になる。

そんなことを考えていると、なんだかとても遥かな気持ちになって、手元の親子制作がお留守になっていたよ。

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