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またまた、苦手の話

数字が苦手。
沢山書いてあるとますます苦手。
例えば、子どもの遠足の日程表だ。
集合時間から始まって出発時刻、電車の到着ホーム、乗車番号、到着予定時刻、延々と数字が続く。
そうなると、全ての数字が仲良く手を繋いで混じり合い、8時50分の到着時刻に7号車と6番ホームが介入したりして、なぜだか8時17分までに行かなくちゃ。となったりする。
なぜ6番ホームと7号車が17分に変換されるのか疑問に思う方もいるかもしれない。
私にとって6は1であり、また11でもある。のだ。突如登場した3つの1が7号車と手を繋ぐと、あら不思議、集合時間が8時17分になってしまうのだ。

勘の良い人ならお気づきだと思うが、6は5と1から成っていて、6に5を足したら11だからだ。
この法則から、わたしにとって7は2だし、12でもあるし、8は3だし9は4だ。
そして、更に厄介なことに6と9は形が似ているので混同しやすい。
私にとって0から9の数字を正確に把握するのは酷く困難なのだ。
夫に言わせると、1は1でしかないし、6は6でしかない、そうだ。全く別物であるらしい。
「その、5ってどっから来るん」

私の頭の中には今でも小学校一年生の時に黒板で見た、黄色い5つのタイルが集まって出来た横長のタイルが浮かんでいる。
そこに1を足したら6になる。
小さな1が集まってできる頼もしい5。成熟したした5の新しいスタートに力を貸す新しい1。
1も6も、私にとっては新しい、のだ。
2と7は、少し逞しく、3と8は円熟している。4と9は落ち着いた安定感でどっしり腰掛けている。あとはただ静かに5と10を待つだけだ。数字の持つイメージが私を惑わせる。

この他にも2が成長(倍数)したら4、3が成長したら6、という理由から2と4、3と6を混同したりもするので、数字の悩みは尽きない。

どれだけ正確に数字や時刻を覚えようと思っても、イメージや先入観の記憶の定着が強すぎて私はいつも少し失敗してしまう。
どれだけ慎重になってもうまくいかないのだから、仕方がないのだな、と割り切ることにした。仕方がない、のだ。
誰にでも向き、不向きはある。向いていないのだ。
なので苦手なことは得意な人にやってもらうしかない。
お願いするのはおこがましいので、さりげなさがポイントになる。
「今度の幼稚園のお誕生日会って10時15分集合らしいんだよね」
「へぇ」
夫婦の会話をしながら夫に時刻をインプットする。
前日になれば、
「明日はお誕生日会だなー楽しみだなー。朝は少しバタバタしちゃうなー」
「10時前には出ないとね(園まで15分)」
「ほんとほんと」
夫婦の会話の延長にアウトプットが実現する。
数字が苦手な人はぜひ実践してほしい。周りを見れば一人や二人しっかり者がいることだろう。その人を陰のマネージャーにするといい。しっかり者は他人の情報を自然と保存しておくハードディスクの容量を兼ね備えている。問題ない。
勿論、お世話になりっぱなしでは気が引けるので時々、さりげないお礼も忘れない。
素敵な笑顔とか。ウィットにとんだ会話とか。
あと、何か、ほら。あれとか。

#cakesコンテスト

また読みにきてくれたらそれでもう。