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世界史2000年を1時間で憶える   DQN昔話(0:はじめに)

一応、ここは公共政策とか公共について語るnoteなのです。その理解のために少し歴史に寄り道をします。しかし、本筋ではない話で長いのも辛いので、2000年の歴史を1時間もあればマスターできる程度の分量に圧縮します。実は、歴史は固有名詞を省略して、構造で覚えると簡単に覚えられるのです。意味のわからない言葉の羅列でおぼえるのではなく、因果関係の構造に簡略化することで、理解の難易度が格段に下がります。

その因果関係の構造を最も示す人類普遍の原理をここでは、DQN行為とし、それを行う登場人物をDQNと表記します。歴史に残る事件の多くは、他人のものがほしい、豊かになりたいという動機から、暴力でその問題を解決していることの繰り返しです。それはDQNの行動原理そのものでしょう。(ここでは特定の人種や民族をDQNと侮辱しているわけではなく、暴力で解決する歴史を繰り返した歴史の登場人物たちすべてを名もなきDQNと表現しています。)

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これまで世界史は、西洋中心の史観で書かれることが多かったです。例えば、昔の世界史では、コロンブスがアメリカに行ったことをアメリカ大陸の発見と呼んでいました。しかし、近年ではもともと住んでいる人がいたんだからと、地理上の発見という言葉に変えられたように徐々に直されています。

このような西洋が進歩していて、いろいろなことを人類で初めて成し遂げたという史観は、まだいろいろなところに残っていますが、他の文明の方が進んでいた事例もたくさんあります。例えば、ヨーロッパの革命の根っこにあった身分制度も、中国では試験(科挙)による実力主義が根付いた10世紀頃になくなっています。また、中世以降のヨーロッパの歴史では発達しませんでしたが、他の文明には多文化共生などの現在に通じる知恵もあります。例えば、オスマン帝国などイスラム教の国は、イスラム教徒以外の者には、ジズヤという人頭税をかけ、イスラム教を優遇しながら、他の宗教との共存を目指しました。あえて平等ではなく、イスラームファーストにすることで、多文化社会の秩序を安定させたのです。中国では科挙、古代ローマでは市民権という方法で、民族に関係なく、実力あるものが社会に力を還元する方法が採用されています。


前置きが長くなりましたが、1時間くらいの勉強で2千年分をやるという都合もあり、だいぶ省略していきます。今回は、公共政策の基本となる人権、法の支配、議会制民主主義、福祉国家などの成立に深く関わったDQN行為に焦点を当てて語ります。そのため、これらが生まれたとされているヨーロッパの歴史が中心になります。入試でもよく出る中国もイスラームもほとんどでてきません。王様が教皇に土下座したとかのローカル宗教の諍いなどもけっこうどうでもよい話と割り切って、キリスト教の話もしません。おそらく、これからアジアやイスラーム世界が発展するにつれ史観が変わっていく中でも、その重要性が変わらない人権や法の支配、福祉国家などに直接寄与したところだけをやります。


宗教の語る博愛や啓蒙主義の学者が語る社会的正義のオブラートに包んだとしても、所詮、人類の歴史はDQNの蛮行の積み重ねの上にできています。そこから、ロクでもない理由から生まれた、公共政策の重要な概念を学びましょう。

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