ものづくり新聞の「新聞」について
2021年から「ものづくり新聞」という取り組みを始めました。
製造業の方々向けにインタビュー記事を掲載しているWebメディアです。ソリューションやサービスの提供元へのインタビューはもちろん、実際に製品やサービスを導入した側へもインタビューしています。ものづくり企業に勤める皆さんにとって本当の意味で役に立つ情報を提供したいという思いで、ただ情報を羅列するのではなくより具体的なイメージができる情報発信を目指しています。どうしてこれを始めようと思ったのかということについては以下の記事に書いていますのでご覧ください。
「新聞」という言葉は古臭く感じる方もおられるかもしれません。
新聞を読む方は減っていると言われています。毎年読者数は減少の一途だそうですし、若者の新聞離れが進んでいると言われています。ある調査によれば毎日新聞を読んでいるのは40%なのだそうです(「毎日新聞」という特定の新聞ではなく、毎日、新聞を、の意味です)。
そんな中でも「ものづくり新聞」と、あえて「新聞」という名前を使うのはなぜなのか、というお話をします。
私たちは世の中のことを知るために、いろんな方法でインプットをしています。新聞、雑誌、ネット記事、ブログ、Facebook、Instagram、Twitterなどなどいろんな方法があります。私はそれらの中でも最も効率よく短時間に俯瞰して最新の情報を入手できるのは新聞ではないかなと思っています。確かにネットにも同じような内容はありますが、私が重要視しているのはその記事が「一次情報かどうか」という点にあります。
一次情報というのは、著者本人が直接的に体験から得た情報、考察、本人が行った調査や実験の結果などを指します。新聞記事の多くは一次情報です。ネット記事やブログの内容は新聞記事を引用していることが多く、引用の過程で内容が変わっているかもしれませんし、意図的に内容が切り取られているかもしれません。もちろんネット記事にも一次情報はありますし、自分の知りたい記事だけ読めますし便利は便利なのですが、池上彰さんと佐藤優さんによれば「インターネットこそ上級者のメディア」なのだそうです。理由は、「ノイズ過多で、時間を浪費する危険性あり」とのことです。
私が製造業・ものづくりの現場の声を発信したい、と思いついたときに、私は「誰か他の人の情報を転載するニュースサイトにはしない」ということを決めていました。自分たちが取材して入手した情報を掲載するメディアにしたいと考えていました。そう、一次情報です。
そう考えた時に、「新聞」という言葉が浮かびました。できるだけ一次情報を伝えたい、その意図をメディア名に表現した時に「ものづくり新聞」という名称になりました。
なお、最初は「ものづくり事例新聞(仮称)」という名前にしていました。「事例」という言葉をつけたのは、現場の声を発信したいという意図をいれたかったからなのですが、後になって「事例」を削除しました。名称が長いということと、記事内容が必ずしも事例だけではなかったためです。そのときに(仮称)も削除しました。
ちなみに、サイトURLのサブドメインがmonojirei=もの事例、なのは上記の背景によります。いつか変更しようと思います。
新聞の思い出
ある上場企業に勤務している時に3、4年ほど経営企画に所属していた時がありました。そのときに毎朝「新聞クリッピング」という仕事があり、何人かで交代で新聞を読んで自社の事業に関連ある記事をピックアップし全社に配布するという仕事をしていました。日本経済新聞、日経産業新聞はもちろん、日刊工業、朝日、読売、毎日、その他専門新聞などです。本当は全部の新聞を読んでピックアップしなくても、「ELNET」というサービスがあり、キーワードで自動的に記事をピックアップしてくれるのですが、それでも実際に紙の新聞を読むと参考になる記事があったりするので毎回新聞を読んでいました。
今から思えばこのときにあらゆる新聞を読んだ知識や経験があとあと役に立っているなと思うことがあります。このときに初めて「同じ記事でも新聞によって書いていることが違う」ことを知りました。そして「自分の興味のないことでも新聞を見ているとたまにアイデアや発想が思い浮かぶことがある」という経験もしました。
今は日本経済新聞しか購読していませんので、たまにいろんな新聞を読みたくなります。ときどき近くの図書館に新聞を読みに行くのですが、そうすると、同じようなニーズの方々がたくさんおられ、何名かのお爺さまが読売新聞の束や朝日新聞の束をずうっと読んでおられるのでなかなか順番が回ってきません。朝一番行けば大丈夫だろうと思ったら朝一番から図書館に並んでおられたりするんですよね。
会社が少し大きくなったら、自社で主要新聞を全部購読し毎日読むことが夢です。
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