脳とマインドセット

こんにちは． ぴてぃです．

前回はマインドセットについてご紹介し，我々現代の人々にとってより良い人生を送るために大きく影響している点についてお話させていただきました．

今回はなぜマインドセットが自分の考え方や心の不調，そして身体症状までにも影響し，自分でコントロールできなくなってしまうのかを脳神経科学の点からご紹介していきたいと思います．

人間の心　というものは漠然としたものですが，元を正すと感情や情動，モチベーションや予測することなどは全て脳の働きによって生成されているものです．私たちが何かに対して，嬉しい，悲しい，むかつく，落ち込むなどの感情は全て脳の活動であり，さらにそれは私たちが生まれてきた時から培って記憶から，情報処理が行われて私たちの感情となっています．これは，モノや現象に対して我々が食べたとか，○○が起きたと認知することに加えて，感情も別にまた記憶していることが関係しています．りんごを食べた時に甘くておいしい，でも硬くて歯が欠けそう（笑）→感情：美味しかった（happy），（歯が痛くて）嫌だった（unhappy)　のように現象とは別に感情も無意識的又は意識的に記憶されています．

ここでポイントがあります．この上記のようなエピソードを体験した後，次回同じような状況に陥った時にhappyとunhappyどちらの感情が記憶から掘り起こされやすいと思いますか？ここがマインドセットを変えるために参考になる点です．

応えはunhappyの情報＝嫌だった方なんです．人間はあるエピソードに対してポジティブ vs ネガティブ情報が1：１で存在した場合，ネガティブ情報を優先して記憶するようになっています．この特徴は多少の大小はあるものの人間だれしも備わっている能力です．なぜこんな能力が備わっているか？それを探るには原始時代にさかのぼる必要があります．人類の祖先は今のようにオートロックの掛かったアパートに住み，寒い時暑い時はエアコンを使い，外に出なければuber eatsでご飯を頼む何てことできませんでした．四六時中野生の動物と共存し，命の危機にさらされていました．そこで人類の祖先は，ある経験の中で生存率を上げるために長い年月をかけながら自分に生じたネガティブ情報を記憶しやすいように遺伝子レベルで変化してきたのです．

しかし，現代の世の中では地域によりますが，日本ではまず生命の危機にさらされる可能性は低いと思います．ではその能力がどのような部分に活躍してしまうかというと日々のストレスの原因（ストレッサー）に対して反応しています．今世の中では大変多くの情報が存在しており，自分から取り入れることもあるかもしれませんが，何もしなくても情報が入ってきてしまうことが多いかもしれません．そして，この情報の多さが私たちの足を引っ張ってるのです．ニュースではコロナの問題や国内の事件，芸能人のスキャンダル等ネガティブ情報があふれかえっています．自分の間接的にも関係するような情報であれば少なからず「嫌な気分」が残ります．私たちはこのようにして前述したネガティブ情報を積極的に脳にため込みながら生活をしています．このネガティブ情報は嫌な気持ち＝ストレスになり，脳に負荷をかけていきます．人間はこのようなストレスをも学習していきます．何かを体験するなどのエピソードは海馬という部分で，その体験に基づく感情の記憶は偏桃体で行われます．そして，記憶はポジティブな情報よりもネガティブ情報の方が記憶しやすいため，良くない感情ばかり思い出したり，考えたりしてしまいます．

このようにして人間は「記憶・学習」により自分の感情を変化させて言います．今の世の中は自分が意図していなくても情報が入ってきてしまうという悪い視点での便利さもあります．この環境の中で私たちが心を健全に保ったうえで「自分らしく」生活していくためには，自分に入れる情報量を意識的に調整してあげることが重要になります．メンタリストのdaigoさんは，自分の脳に対してポジティブ情報の力を強くしたい場合には，ポジティブ情報：ネガティブ情報＝3個以上：1とすることが重要とおっしゃっています．ここからわかることはネガティブ情報はそれだけ刺激の強い情報ということです．そして，現代社会で健やかに心を整えるためには意識的にポジティブ情報の割合を増やすことが必要になってきます．

ここでのポジティブ情報は、一つのネガティブ情報に対して”あえて”ポジティブな情報を考える事で増やしていきます．ほんの些細なポジティブレベルでも良いです．是非トライしてみましょう．

例）朝から気分が乗らないな（ネガティブ），”あえて”日の光を浴びて暖かさを感じる（ポジティブ）+朝の光は力強いな！（ポジティブ），日の光に対して二つのポジティブな感情を作れたことを自分で褒めてみる（ポジティブ）

このようにスタートがネガティブであっても，自発的にポジティブを見つけることが重要になります．そして，私もこの記事を書きながら朝にはこんな良いことが目白押しなんだと改めて気づくことが出来ました（ポジティブ）．このように習慣かすることで今までの負の連鎖を断ち切ることができます．習慣化するまでには約2か月ほど平均でかかると言われており，その間にうまくいかないことや自分を責めてしまうことがあると思います．その点で「悪い」という評価を下さないようにしてみてください．反対にそのような思考パターンが練習の絶好のチャンスになることに気づいてみましょう．あなたの心は今日から少しずつ変化していくはずです．是非お試しください．

それでは　See you next time!!!