ピティナ音楽研究所 PTNA Research Institute of Music

ピティナ音楽研究所の活動や成果をこちらで発表します。当研究所は文部科学省科学研究費助成…

ピティナ音楽研究所 PTNA Research Institute of Music

ピティナ音楽研究所の活動や成果をこちらで発表します。当研究所は文部科学省科学研究費助成事業指定研究機関で、2022年4月に設立されました。研究者やピティナ事務局からの発信をこちらから行ってまいります。

最近の記事

音楽大学の入学者受入方針に関する論文を推敲中です

 協力研究員の松川亜矢です。  8月の終わりから、「日本の音楽大学がどんな学生を求めているか」をテーマとした論文を推敲しています。  私は主に音楽大学卒業生のキャリアパスを調査・研究していますが、これを明らかにするためには、音楽大学がそもそもどんな学生を入学者として受け入れ、教育を展開しているのかという側面を考え合わせる必要を感じ、昨年この研究に着手しました。現在推敲中の論文は、昨年10月に行われた日本音楽教育学会第54回大会でポスター発表した内容を再構成したものです。  こ

    • 「音楽大学における教育体制」をテーマに学会発表します

       協力研究員の松川亜矢です。  9月13日(金)に、信州大学で行われる日本教育社会学会第76回大会にてポスター発表をする予定です。今回の研究発表は、日本の音楽大学での教育の在り方が学生のキャリア形成にどのような影響を与えるかを検討するものです。日本の音楽大学では西洋クラシック実技を専門とする指導者が数の上で大きな割合を占めていることが問題とされたり、伝統音楽や世界音楽などが非常勤講師に任されることによる弊害が議論されたりしてきましたが、実際のところはどうなのか、と思ったのが

      • 【論稿掲載予定】音楽を教える「個人教師」のキャリアとジェンダー規範のかかわり

         協力研究員の松川亜矢です。私は、音楽大学での学びとその後のキャリアのかかわりについて研究しています。  このたび、音楽教室や自宅などで個人レッスンをおこなう職業音楽家(厚労省は「個人教師」と呼んでいます)に注目して、そのキャリアプロセスを検討した論稿が、日本音楽教育学会の学会誌『音楽教育実践ジャーナル』に掲載されることになりました。  国勢調査で「個人教師」の人数の推移をみてみると、総人数や年代構成は調査年ごとに変動があるものの、その9割が女性であることは長年変わってい

        • 菅沼起一氏による新連載(チェルニーと即興演奏)

          ピティナ音楽研究所 協力研究員の菅沼起一氏(音楽学者、リコーダー奏者)による新連載が始まりました。 ディミニューション(主に16〜17世紀ヨーロッパで最盛期を迎えた、即興演奏習慣)の研究を専門とする菅沼氏が、特にチェルニーに焦点を当てながら、即興演奏の歴史を振り返ります。現代のピアノ演奏実践・教育にも活かせる内容です。 こちらからご覧ください。

        音楽大学の入学者受入方針に関する論文を推敲中です

          福田成康(専門研究員)が国際学会で発表予定

          福田成康(ピティナ音楽研究所 専門研究員)の提出した論文の査読が通り、11月10日~14日にサンフランシスコで開かれる国際学会「ISMIR(The International Society for Music Information Retrieval)2024」で発表を予定しております。 内容は、ピアノ自宅学習支援システムについてです。 詳細が公開され次第、こちらのnoteでも紹介いたします。 ISMIR公式ページ https://ismir2024.ismir.ne

          福田成康(専門研究員)が国際学会で発表予定

          今年度の展望と昨年度の活動報告

          3/24に開催した成果発表会の様子をレポートします。また、4月より新たに研究員として菅沼起一氏・松川亜矢氏(協力研究員)、ピティナ専務理事の福田成康(専門研究員)が着任しました。

          【あと4日】ピティナ音楽研究所 非常勤研究員募集

          ピティナ音楽研究所では2024年度採用の非常勤研究員を募集しています。エントリー締切日である12月22日(金)まで、あと4日となりました。 若手研究者(原則として採用時に博士号取得後10年以内)の積極的なご応募をお待ちしています。 公募要項およびエントリーフォームは、下記ページよりご確認ください。 関連note記事はこちら。

          【あと4日】ピティナ音楽研究所 非常勤研究員募集

          第54回日本音楽教育学会での口頭発表を終えて

           ピティナ音楽研究所音楽教育研究室研究員の石川裕貴です。先月,第54回日本音楽教育学会にて口頭発表を行いました。発表題目は『ピアノ教育における〈イメージ〉や〈感情〉の弊害:ピアノレッスンにおける参与観察とインタヴュー調査を通して』で,ソンタグの〈反解釈〉の思想を視座として,参与観察とインタヴュー調査を行い,ピアノ教育に求められる〈言語〉について考察しました。  ソンタグの〈反解釈〉の思想については,「ピティナ・ピアノ指導者ライセンス ピアノの先生のためのハンドブック『指導のい

          第54回日本音楽教育学会での口頭発表を終えて

          【お知らせ】非常勤研究員募集要項 追記

          ピティナ音楽研究所 非常勤研究員の募集につき、下記の通り「募集分野とテーマ」を追記しました。 ご自身が対象となるか不明の場合には、PRIM事務局までお気軽にお問い合わせください。 募集要項、応募フォームはこちらから https://prim.piano.or.jp/2023/10/2024.html

          【お知らせ】非常勤研究員募集要項 追記

          ピティナ音楽研究所  2024年度非常勤研究員募集のご案内

          ピティナ音楽研究所は音楽に関わるテーマを扱う研究所です。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)の定款において2022年に設置が定められ、設立されたばかりです。研究員は音楽や教育など、音楽に関わる研究を行い、論文や研究報告を通じて研究業績を発表することを通じて、音楽文化を振興するとともに、社会に資することを目指しています。また、目的達成の一環として、日本学術振興会の指定機関(機関番号:82839)として、科研費の申請も行っています。 当研究所では2024年度採用の非常

          ピティナ音楽研究所  2024年度非常勤研究員募集のご案内

          博士論文の提出を終えて

          協力研究員の高橋舞です。 私事で恐縮ですが、今年の3月に東京大学大学院人文社会系研究科に博士論文を提出し、本審査を経て、6月15日に博士号を取得致しました。 博士論文は提出するまでが大変だと思っていたのですが、その後も本審査に向けた準備や、本審査後も著作権やリポジトリ等に関するたくさんの書類を大学に提出したり、図書館に納本するための最終稿の作成と製本など様々な作業があり、それらも同じくらい?大変でした。 最終稿には謝辞を載せたのですが、これまでの自分の研究を改めて振り返る

          ピティナ音楽研究所 2022年度の成果と展望

          ピティナ音楽研究所(PRIM)は設立から1年を迎えました。この1年の活動と今後の展望をご紹介します。 3/21(火)の経過報告会の様子も報告いたします。

          ピティナ音楽研究所 2022年度の成果と展望

          3/21(火・祝)研究経過報告会を開催

          3月21日(火・祝)14:00より、ピティナ音楽研究所(PRIM)最初の活動報告会を実施します。 研究所の運営報告と、所属研究員による成果および経過の発表を予定しています。実地もしくはZOOMにてご参加ください。 日時:3月21日(火・祝)14:00~(16:30終了予定) 会場:ピティナ本部事務局内 東音ホール    (JR山手線・都営三田線 巣鴨駅 より徒歩1分)    ※Zoom同時配信あり・要申込 受講料:無料(会場参加は50名限定) 詳細・お申込みはこちらから

          3/21(火・祝)研究経過報告会を開催

          NHK番組「ピアノのおけいこ」に関する調査 ―テキストが果たした役割―

          ピティナ研究会員の深水悠子氏(東京藝術大学講師)による、NHK番組「ピアノのおけいこ」に関する調査の最新記事が公開されました。 番組テキストの内容や、後世への影響について考察しています。 記事はこちらから https://research.piano.or.jp/series/baton/2023/01/nhk_3.html ※ピティナ音楽研究所は本研究をサポートしております。さらに、本研究はNHK番組アーカイブス学術利用トライアルの研究の一環として遂行しています。

          NHK番組「ピアノのおけいこ」に関する調査 ―テキストが果たした役割―

          2022年度「研究の展望」を公開

          ピティナ音楽研究所(PRIM)に所属する4人の研究者の、2022年度の「研究の展望」を公開しました。下記ページよりご覧ください。 https://prim.piano.or.jp/2022/12/entry_11.html

          音楽と幸福(well-being)に関する一考察(後半)

           ピティナ音楽研究所音楽教育研究室研究員の石川裕貴です。前半では,「well-being」と音楽教育の実態についてまとめました。後半では,「サウンド・エデュケーション」について,そして実践と結果について,説明したいと思います。 1.「サウンド・エデュケーション」という切り口 カナダの作曲家,音楽教育者のR.M.シェーファーは,1960年代,音を風景の一部として捉え,自然音や環境音といった「社会を取り囲む様々な音の相対」として,「サウンドスケープ」という概念を提唱しました。こ

          音楽と幸福(well-being)に関する一考察(後半)