ピティナ音楽研究所 PTNA Research Institute of Music

ピティナ音楽研究所の活動や成果をこちらで発表します。当研究所は2022年4月に新設し、…

ピティナ音楽研究所 PTNA Research Institute of Music

ピティナ音楽研究所の活動や成果をこちらで発表します。当研究所は2022年4月に新設し、現在、文部科学省の認可を受けるための申請途中です。調査・研究活動は開始しましたので、研究者やピティナ事務局からの発信をこちらから行ってまいります。

最近の記事

第54回日本音楽教育学会での口頭発表を終えて

 ピティナ音楽研究所音楽教育研究室研究員の石川裕貴です。先月,第54回日本音楽教育学会にて口頭発表を行いました。発表題目は『ピアノ教育における〈イメージ〉や〈感情〉の弊害:ピアノレッスンにおける参与観察とインタヴュー調査を通して』で,ソンタグの〈反解釈〉の思想を視座として,参与観察とインタヴュー調査を行い,ピアノ教育に求められる〈言語〉について考察しました。  ソンタグの〈反解釈〉の思想については,「ピティナ・ピアノ指導者ライセンス ピアノの先生のためのハンドブック『指導のい

    • 【お知らせ】非常勤研究員募集要項 追記

      ピティナ音楽研究所 非常勤研究員の募集につき、下記の通り「募集分野とテーマ」を追記しました。 ご自身が対象となるか不明の場合には、PRIM事務局までお気軽にお問い合わせください。 募集要項、応募フォームはこちらから https://prim.piano.or.jp/2023/10/2024.html

      • ピティナ音楽研究所  2024年度非常勤研究員募集のご案内

        ピティナ音楽研究所は音楽に関わるテーマを扱う研究所です。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)の定款において2022年に設置が定められ、設立されたばかりです。研究員は音楽や教育など、音楽に関わる研究を行い、論文や研究報告を通じて研究業績を発表することを通じて、音楽文化を振興するとともに、社会に資することを目指しています。また、目的達成の一環として、日本学術振興会の指定機関(機関番号:82839)として、科研費の申請も行っています。 当研究所では2024年度採用の非常

        • 博士論文の提出を終えて

          協力研究員の高橋舞です。 私事で恐縮ですが、今年の3月に東京大学大学院人文社会系研究科に博士論文を提出し、本審査を経て、6月15日に博士号を取得致しました。 博士論文は提出するまでが大変だと思っていたのですが、その後も本審査に向けた準備や、本審査後も著作権やリポジトリ等に関するたくさんの書類を大学に提出したり、図書館に納本するための最終稿の作成と製本など様々な作業があり、それらも同じくらい?大変でした。 最終稿には謝辞を載せたのですが、これまでの自分の研究を改めて振り返る

        第54回日本音楽教育学会での口頭発表を終えて

          ピティナ音楽研究所 2022年度の成果と展望

          ピティナ音楽研究所(PRIM)は設立から1年を迎えました。この1年の活動と今後の展望をご紹介します。 3/21(火)の経過報告会の様子も報告いたします。

          ピティナ音楽研究所 2022年度の成果と展望

          3/21(火・祝)研究経過報告会を開催

          3月21日(火・祝)14:00より、ピティナ音楽研究所(PRIM)最初の活動報告会を実施します。 研究所の運営報告と、所属研究員による成果および経過の発表を予定しています。実地もしくはZOOMにてご参加ください。 日時:3月21日(火・祝)14:00~(16:30終了予定) 会場:ピティナ本部事務局内 東音ホール    (JR山手線・都営三田線 巣鴨駅 より徒歩1分)    ※Zoom同時配信あり・要申込 受講料:無料(会場参加は50名限定) 詳細・お申込みはこちらから

          3/21(火・祝)研究経過報告会を開催

          NHK番組「ピアノのおけいこ」に関する調査 ―テキストが果たした役割―

          ピティナ研究会員の深水悠子氏(東京藝術大学講師)による、NHK番組「ピアノのおけいこ」に関する調査の最新記事が公開されました。 番組テキストの内容や、後世への影響について考察しています。 記事はこちらから https://research.piano.or.jp/series/baton/2023/01/nhk_3.html ※ピティナ音楽研究所は本研究をサポートしております。さらに、本研究はNHK番組アーカイブス学術利用トライアルの研究の一環として遂行しています。

          NHK番組「ピアノのおけいこ」に関する調査 ―テキストが果たした役割―

          2022年度「研究の展望」を公開

          ピティナ音楽研究所(PRIM)に所属する4人の研究者の、2022年度の「研究の展望」を公開しました。下記ページよりご覧ください。 https://prim.piano.or.jp/2022/12/entry_11.html

          音楽と幸福(well-being)に関する一考察(後半)

           ピティナ音楽研究所音楽教育研究室研究員の石川裕貴です。前半では,「well-being」と音楽教育の実態についてまとめました。後半では,「サウンド・エデュケーション」について,そして実践と結果について,説明したいと思います。 1.「サウンド・エデュケーション」という切り口 カナダの作曲家,音楽教育者のR.M.シェーファーは,1960年代,音を風景の一部として捉え,自然音や環境音といった「社会を取り囲む様々な音の相対」として,「サウンドスケープ」という概念を提唱しました。こ

          音楽と幸福(well-being)に関する一考察(後半)

          新連載「スクリャービン:『神秘』の向こう側へ」

          ピティナWebページ読み物・連載コーナーにて、音楽学者の山本明尚氏による新連載「スクリャービン:『神秘』の向こう側へ」が始まりました。 スクリャービンの作品はピアニストのレパートリーとして定着し、人気作曲家の一人に数えられます。いっぽうで、その生涯や作品は長年「神秘」という観念と強く結びついてとらえられてきました。この連載では歴史的な経過や音楽内容を注意深く観察、分析することを通してスクリャービンの実像に迫ります。 現在、「はじめに」と「1.スクリャービンの『神秘』」の2

          新連載「スクリャービン:『神秘』の向こう側へ」

          新規記事紹介:上田泰史氏による記事 ~「ピアノは歌う」第1回~

          ピティナWebページでの連載「指導のいろは」にて、ピティナ音楽研究所 音楽研究室長・上級研究員の上田泰史氏による記事「『ピアノは歌う』―19世紀のパリ国立音楽院ピアノ教授たちが語る演奏表現の要点(1)」が公開されました。 連載「指導のいろは」は、ピアノ指導者を目指す方やピアノ指導者の方に向けて、指導に必要とされる様々なスキルや知識、指導の基礎となる部分に触れていただく連載です。今週から数週間にわたり、研究員が音楽および音楽教育に関する内容を執筆します。 今回の記事では、音

          新規記事紹介:上田泰史氏による記事 ~「ピアノは歌う」第1回~

          音楽と幸福(well-being)に関する一考察 前編

           ピティナ音楽研究所音楽教育研究室研究員の石川裕貴です。先日、11月5日(土)に、第53回日本音楽教育学会にて口頭発表を行いました。発表題目は『「well-being」としての音楽教育の一考察:R.M.シェーファーの「サウンド・エデュケーション」を切り口として』ということで,ここでは,前半で「well-being」ついて,後半で「サウンド・エデュケーション」について,簡単に紹介したいと思います。 1.「well-being」とは 近年,いたるところで「well-being」

          音楽と幸福(well-being)に関する一考察 前編

          新連載「ナディア・ブーランジェ先生のことば」の紹介

          ピティナWebページ「読み物・連載」コーナーで新連載が開始しました。 ナディア・ブーランジェ(1887-1979)は20世紀を代表する音楽の名教師です。バレンボイムやピアソラなど、一流の音楽家を数多く育てました。 その最晩年に薫陶をうけた佐藤祐子先生(正会員)によるエッセイです。貴重な記録をぜひご覧ください。

          新連載「ナディア・ブーランジェ先生のことば」の紹介

          関連イベント:公開録音コンサート

          今回の記事は関連イベントのご紹介です。11月4日(金)19時より、東京・巣鴨のピティナ本部事務局 東音ホールにおいて、「公開録音コンサート~バラードとロマンス レクチャーコンサート~」を実施予定です。 演奏・レクチャーを行うマレク・ブラハ氏はポーランド出身のピアニストで、世界各地で演奏・教育に携わっているほか、若手ピアニストとしてショパン国際コンクールのレポーター等もつとめています。コロナ直前の2019年には「舞曲」をテーマとしたイベントを実施し、参加された皆さんが踊りを実

          関連イベント:公開録音コンサート

          ピアノ曲事典 新規音源・解説のご紹介(フランク)

          今年生誕200年を迎えるセザール・フランク(1822/12/10-1890/11/08)の作品、《オルガニスト、ハルモニウムのための63の小品 FWV 41》(1889-1890)と《前奏曲、フーガと変奏曲Op.18(作曲者自身の編曲によるハルモニウム・ピアノ版)》の演奏動画・解説文をピティナ・ピアノ曲事典に登録しました。演奏と執筆はピティナ演奏会員の喜多宏丞先生です。  以下の記事より喜多先生のコメントと、動画・解説文をご覧いただけます。 https://research

          ピアノ曲事典 新規音源・解説のご紹介(フランク)

          DH2022に参加しました 2

          協力研究員の高橋舞です。前回のつづきです。 7月に、DH2022という国際大会で「速度偏差を用いた演奏様式の特徴づけ(Characterizing playing style with speed deviation)」というタイトルのポスター発表をさせていただきました。今日は、その発表内容について簡単にご説明します。 録音分析の客観的な手法を考案 これまでの演奏研究から、1920年代までは19世紀の伝統を受け継ぐ、速度変化の大きい演奏様式であったことが明らかになっていま