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理学療法士が病院内の腰痛予防活動をやってみた!10カ月間の活動報告(前編)

以前に腰痛に関する記事を書きましたが、今回は腰痛予防活動を約10ヶ月ほど職場で実践した活動をご紹介します。(全3回)

プロジェクトの途中では、予期せぬ方針の軌道修正など様々なトラブルがありました。その都度メンバーと協力し、時にはトップダウン的な指示も出して何とか形にすることができました。

これから同じようなことをやってみたい!と思っている方に向けて、少しでも何かの参考になればと思います。

活動を始めようと思ったきっかけ

そもそもの出発点は、私が都道府県士会の事業に携わっていた所から始まります。

都道府県士会では、一般の方や介護事業所のスタッフなどを対象に、毎年テーマを決めて市民講座を開催しているのですが、ある年、私が「腰痛予防について」というテーマで講演させて頂いたことがこの活動に大きく影響しています。

そして腰痛予防に関して興味を持つようになり、様々な文献を読んでいく中で、「産業分野での腰痛予防」というテーマを知ります。いわゆる産業理学療法の分野の話になります。

当院では医師が産業医として企業健診に出向いていることもあり、比較的簡単に企業に対する腰痛予防活動が始められるかもしれないと思いました。

しかしそこで思ったのは、あまりノウハウもない自分がいきなり飛び込んで、果たしてうまくいくのだろうか?

ある程度、実績を積んでデータとして提示できるものがないと信用してもらえないのではないか?
そういった疑念も同時に沸き起こりました。

加えて産業医の管理をしている健診部との調整もなかなかうまくいかない状況だったので、

「まずは身近な所からはじめてみて、そこから活動範囲を広げていこう!」と考えました。

こうして10カ月にわたる、院内での腰痛予防活動プロジェクトが始動することになりました。ここまでは自分一人で盛り上がっていた時期なので、早速協力してもらえるメンバーの募集を開始しました。

メンバー集め(活動開始6カ月前) 

活動に協力してもらうメンバーは、リハビリ科スタッフの中から募集しました。
予想としては5~6名程度集まればいいかなと思っていましたが、予想に反して15名弱のスタッフが名乗りを上げてくれました。

当初の予定は、腰痛予防教室を開催してその効果判定を行う程度の規模で考えていたのですが、メンバーが集まったのでもう少し活動の幅を広げることにしました。

そこでとりあえず最初に、自分の考えをメンバーに知ってもらうために、ミーティングを開催しました。 

キックオフミーティング(活動開始5カ月前)

コンセプトを伝える
最初のキックオフミーティングでは、活動を行う理由とコンセプトを伝えることを第一に意識しました。

具体的なコンセプトとしては

「腰痛予防において、集団を対象に、シンプルな方法でいかに効果を出すか」というものでした。

最終的には企業内で腰痛をはじめとするヘルスケアの部分で活動できることが理想であるため、普段の診療の延長線上にあるような個別的な対応は難しいと考えたからです。

そしてそのためには、実施するエクササイズを継続してもらえる仕掛けづくりが必要で、活動に関する基本的な知識や情報を集めることの重要性を話しました。

まずは自主的に情報収集をして、ミーティングの中でアイデアをどんどん出して欲しいという私の意向を伝えました。

SNSの利用
また、通常の診療業務の合間を使ってプロジェクトを進めていくので、情報共有や意見交換に余計な時間を費やさないことがとても重要になってきます。

ましてや、15名の人数ともなると簡単には集まりにくいため、WEB経由で情報共有などが出来るシステムである「サイボウズ」というグループウェアを利用することにして、スタッフ全員に登録してもらうことを依頼しました。

※サイボウズは当時は無料で利用できましたが、現在は有料サービスとなります。

最初の壁

キックオフミーティングから1カ月ほど経ち、メンバーのアイデアを吸い上げるため、再びミーティングを行いました。

しかしそこで出た意見は、コンセプトとは合致しない意見やアイデアが目立ちました。(個別的な対応を重視したアイデアが多かった)

残念ながら私の説明不足が招いた結果だと思っています。

出てきた意見やアイデアの数も少なかったため、プロジェクトチームの中でも取り組む姿勢というか、熱意のようなものに差があることを感じました。

(当然なんですけどね…  何かを組織・運営をする時は、必ずこうしたギャップがついて回ります)

アイデアを出し合って、方針を決めるという最初の段階からつまづいてしまったので、どうしようかと一番頭を悩ませていた時期だったことを思い出します。

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