医療の質を考える
医療の質を考える時には、「ドナベディアンモデルを使おう!」って話です。
我々医療職が使いがちな医療の質という言葉。それは様々な意味があると思いますし様々な視点があると思いますが、その中でも頭を整理する上で使いやすいドナベディアンモデルにについて考えてみたいと思います。
ドナベディアンモデルとは?
ドナベディアンモデルは、ドナベディアンが提唱した医療の質に対する考え方です。
ドナベディアンは、レバノンのベイルートに生まれ。ベイルートアメリカ大学で医師免許を取得。卒業後にハーバード大学公衆衛生大学院で公衆衛生学の修士を取得。ミシガン大学で教授をしていた時に医療の質評価のドナベディアンモデルを提唱しました。
医療の質を3つに分ける
ドナベディアンモデルでは、医療の質を3つに分類しています。構造(structure)・過程(process)・結果(outcome)と分類し、それぞれについて確認していきます。
大変いけない言い方だと思いますが、最高の機器を導入していても使いこなせる人材がいなかったり、人手不足で検査が遅れたり、検査時によく転落や転倒を起こしたりなど質が決して良くないと判断されるところもあるかと思います。そういった様々な角度から冷静に分析することができるのが、ドナベディアンモデルになります。
構造(STRUCTURE)を考える
これは簡単に言うと、どういった状態で提供されたのか?と言うことになります。
過程(PROCESS)を考える
どのようにしたのかということ。
診断、治療、看護、手術、リハビリテーション、予防、接遇、患者や家族の医療への参加、など
※医療者側が一方的に行ったものだけでなく、患者が行ったこと(リハビリや薬の服用など)も過程に含まれます。
結果(OUTCOME)を考える
どうなったのかということ。
・患者や家族が得ることができた健康
・治療による成果
・患者や家族が得ることができた満足度
・患者が得ることができた安楽度
・再入院率、事故発生率、転倒率、せん妄発生率など
・在宅復帰率
・FIM利得
・患者満足度や職員満足度