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横隔膜呼吸は交感神経系を抑制する?しない?


こんにちは、青木です。


以前、ピラティスと更年期症状に
関する記事を投稿しましたが、
そこで深呼吸が自律神経の活動に
関係があると話しました。


詳しくはこちらの投稿をご覧下さい。


今回はその呼吸について深堀ます。


一般的には呼吸によって自律神経を
整えることができると言われていますが、
それは具体的にどんな呼吸なのか、
実際にどんな効果があるのか、
研究論文に基づいて見ていきましょう。


ではどうぞ。


結論

横隔膜呼吸は交感神経を抑制する効果がある

エビデンス

参考論文


「Effects of diaphragmatic deep breathing exercises on prehypertensive or hypertensive adults: A literature review.(高血圧前症または高血圧症の成人に対する横隔膜深呼吸訓練の効果: 文献レビュー)」

https://doi.org/10.1016/j.ctcp.2021.101315

横隔膜呼吸は交感神経活動を低下させ、その結果、高血圧または高血圧前症の人の血圧、心拍数、および不安が低下します。

Yau, K., & Loke, A. (2021). Effects of diaphragmatic deep breathing exercises on prehypertensive or hypertensive adults: A literature review.. Complementary therapies in clinical practice, 43, 101315 .


「Paced breathing compared with usual breathing for hot flashes(ほてりに対する通常の呼吸と比較したペースの速い呼吸)」

https://doi.org/10.1097/GME.0b013e31826934b6

ペースのある呼吸は中枢の交感神経活動を低下させ、リラックス反応を促進し、ほてりの頻度と重症度を軽減する可能性があります。

Sood, R., Sood, A., Wolf, S., Linquist, B., Liu, H., Sloan, J., Satele, D., Loprinzi, C., & Barton, D. (2012). Paced breathing compared with usual breathing for hot flashes. Menopause: The Journal of The North American Menopause Society, 20, 179–184.

横隔膜呼吸による交感神経の抑制と副次効果

横隔膜呼吸とは

その名の通り、横隔膜を使った呼吸になります。


呼吸法は主に腹式呼吸と胸式呼吸がありますが、
どちらも意識の仕方によって横隔膜を使った呼吸が可能です。


簡単な意識の仕方としては、
両手で外側から下部肋骨を抑えて呼吸するだけです。


呼吸したときに肋骨が外側へ広がり、
抑えている手が押し返されていれば横隔膜呼吸が出来ていると言えます。

横隔膜呼吸で交感神経が抑制されるメカニズム

人間は体内の血中酸素濃度が上昇すると副交感神経が活性化され、
交感神経が抑制されます。


そのため、横隔膜呼吸によって換気量が上昇したことで酸素量が上昇し、
交感神経が抑制されると考えられます。

更年期症状や心機能との関連

更年期の主な症状であるホットフラッシュは、
交感神経活動が高まることで血管運動障害が生じ、
気温の上昇に関係なくほてりや発汗が起こる状態です。


横隔膜呼吸の実施は交感神経活動を抑制することで、
ほてりの頻度や程度を軽減する可能性があります。


他にも、横隔膜呼吸には血圧や心拍数の低下、不安症状の改善など、
自律神経系に関する様々な効果が報告されています。

まとめ

いかがだったでしょうか?


運動時やリラックスする時など、普段何気なく行う深呼吸ですが、
掘り下げてみると様々な効果があることが分かります。


また、運動指導を行うインストラクターやセラピストは、
ただ深呼吸を指導するのではなく、
体に起こる変化についてもしっかり理解した上で指導できると、
質の高い運動療法を提供できるのではないかと思います。


新たな疑問としては、どのぐらいの秒数で呼気、吸気を行うのが良いのか
ということですが、こちらはまた別の記事でまとめたいと思います。


次回の記事もお楽しみに。


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