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膝関節屈曲動作時の膝周囲の皮膚の伸張性について


安齋です!

さてさて、今回は文献を1つ紹介しながら臨床応用するためにどうしたらいいのかを書いていきます。


今回、ご紹介する文献は、こちら!

膝関節屈曲動作時の膝周囲の皮膚の伸張性について

です!


内容については中略させていただきますが、簡単にご紹介した後に実際の臨床応用についてお伝えします。


ではさっそく!


【膝関節屈曲時の膝周囲の皮膚の伸張性について〜概要〜】


人工膝関節全置換術(以下TKA)では特に皮膚切開をして施行します。そのためどうしても、術後は皮膚の癒着が進行します。その進行が膝関節の関節可動域制限になるのです。


いわゆる軟部組織による可動域制限ですね。


軟部組織とは言っても皮膚、筋、脂肪体などと様々ありますが今回は皮膚に着目してます。


今回、ご紹介する文献は、

健常者を対象として、膝前面の皮膚を大腿部、膝蓋上のう部、膝蓋骨部、膝蓋骨靭帯部と4つの部位に分け、膝関節屈曲0°から30°間、30°から60°、60°から90°、90から120°、120から150°間、150から最大屈曲位までの角屈曲角度間での膝関節周囲の皮膚の伸張性について検討している文献です。




【膝関節屈曲時の膝周囲の皮膚の伸張性について〜結果〜】

※文献記載の文章を中略しつつ、そのまま抜粋しております。

結果として、


膝関節屈曲0〜30°間では、膝蓋上嚢部と膝蓋骨部の皮膚の身長率が大腿部と膝蓋靭帯部の身長率よりも優位に高位を示した。

膝関節30〜60°間では、膝蓋上嚢部と膝蓋靭帯部の皮膚の伸張率が膝蓋部の皮膚の伸張率よりも優位に高位を示した。

膝関節60〜90°間では、膝蓋上嚢部の皮膚の伸張率が大腿部と膝蓋骨の皮膚の伸張率よりも優位に示し、また膝蓋靭帯部の皮膚の伸張率は大腿部と膝蓋骨の皮膚の伸張率よりも優位に高知を示した。


膝関節屈曲90〜120°間では、膝蓋上嚢部の皮膚の伸張率が膝蓋骨部よりも有意に高位を示した。一方、120〜150°間と150°から最大屈曲間の皮膚の伸張率では、全て部位間において有意差は見られなかった。また、大腿部、膝蓋上嚢部、膝蓋骨部、膝蓋靭帯部の全ての部位において、膝関節屈曲0°から30°間の皮膚の伸張率は他の角度間の皮膚の伸張率と比較し高位を示した。


結果を簡単にまとめると、


膝関節屈曲0°から30°間の皮膚の伸張率が膝関節屈曲運動の中で最大伸張

膝蓋上嚢部の皮膚の伸張率


この2つが大切だよってことです!


【膝関節屈曲時の膝周囲の皮膚の伸張性について〜臨床応用〜】



結果を知っただけではただの知識です。これを現場に活かしてこそ初めてモノにした文献の知識となります。


膝関節の運動は0〜20°までは純粋な転がり運動のみです。30°から徐々に滑り運動が入ってきて、最終的に滑り運動のみとなります。


膝関節の屈曲可動域を拡大するには、30°以降の滑り運動が必要になります!


膝関節可動性を図るために、関節モビライゼーションが必要になります!


モビライゼーションの方法についてはこちら!


30°以上の角度向上には、どうしてモビライゼーションがここでは適応になるかというと、


滑り運動を起こすのは、モビライゼーションだと簡単にできるからです。


ほとんどの関節モビライゼーションが関節の離解をさせた状態で行います。

近位の関節面から遠位の関節面が離れた状態になりますので、滑り運動が出しやすい状態になるのです。


また、膝蓋上嚢のリリースも必要です。


結果でも出ている通り、膝蓋上嚢の皮膚の伸張率が欲しいのでリリースの必要性がわかるかと思います。


90°以降の関節可動域アップを図る場合は膝蓋骨〜膝蓋靭帯付近の皮膚を動きやすくさせることも必要です!



【まとめ】


いかがだったでしょうか。


臨床現場ではどうしても筋組織や関節の解剖学のみになってしまいがちですが、体表にある皮膚にもしっかりと目を向けてみましょう!



それではーーーー!!!!




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