リアル臨床〜棘上筋断裂修復術後の理学療法:経過を全て公開します。〜

安齋です。今回もまた、本題入る前に少しだけ余談にお付き合いください。


皆さんはJARTAってご存知ですか?


スポーツ分野に特化した、いわばパフォーマンスレベルを向上させるための1つの団体です。

直接的に理学療法と関連するかと言われればそうではないのですが、考え方によっては非常に有効に考え方を引用できるものです。

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コンセプトはこちら↓

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簡単にお伝えするとより高度なパフォーマンスをするためにどうやったらできるのかを考えながらトレーニングができるといった感じです。


僕はこの考え方を基に基本的にリハビリ業務に携わっています。

ぶっちゃけた話、これだけでは当然対応しきれませんので最終的にはいろんな分野からいいところどりをして臨床還元しています。

ただ、リハビリの最終段階にきたらこのJARTAの考え方を基に理学療法を提供しています。

極端ですがもはや手で触ることはほとんどしません。

運動療法にて身体操作を再構築していく感じになります。

関節の使い方を変えるリハビリとでも言いましょうか。


ただ、ここには説明力が必要です。

基本的には触って欲しい、触られるのがリハビリという認識がまだまだ根強いのであまり説明もなしにガシガシ動いてもらおうとするとちょっとクレームになりかねません。笑


この辺はしっかりとラポール形成しながらリハビリをしていくことが大切ですね。



【さて、本題です。ガッツリ臨床録になります。】


タイトルにもありますが、これは完全に安齋が現在進行形でみていく患者さんの臨床録になります。

多分、面白いです。そして情報量はかなり多くします。

そして、加筆するごとに少しずつ値段を上げていきますので!


現段階では内容はほとんどありません。介入回数が進み、症例の状態変化があるたびに加筆、Dr.よりオーダーがあるたびに加筆するという形式です。よって月日が経つにつれて内容もどんどん増えていくという流れになります!


早速本題にいきましょう!


【患者さん情報】

70代女性

診断名:棘上筋断裂修復術後、棘上筋断裂(Goutallier St2、Patte St1)

既往歴:原田病

現病歴:数ヶ月前から右肩に痛みがあり、和菓子製造で力仕事をしているため喪かもしれない。痛み出してから2ヶ月後から当院にてケナコルトHAの注射などで対処していた。上腕二頭筋に液体貯留を繰り返していた。改めて痛みの精査のため、当院より市立病院へ紹介状を出して受診してもらったところ、棘上筋前部線維の断裂がMRIにて発覚。そのままope施行となる。現在、opeより10日経過。(2021/6/18現在)


術中所見にて棘上筋前方部に小さい全層縦断裂を認め、アンカー一個で修復している。

使用装具:ウルトラスリングⅣ

Dr.’s order

術後翌日:手指の運動、肘の運動(Edema予防)

術後2日:お辞儀運動(装具を外した状態で腰を曲げて垂らす。5回×3set/day)

術後4週までは上記のリハビリの指導と僧帽筋のマッサージを。

術後4週:装具除去、自動挙上運動(前方挙上=肩屈曲30度、10回×3set/day)

術後8週:自動挙上60度が目標、背泳ぎ運動開始。他動挙上=他動肩屈曲、自動介助挙上=アセスティブ肩屈曲は90度が目標。

術後12週:自動挙上90度が目標、他動挙上、自動介助挙上は120度が目標。輪ゴムによる筋力訓練開始。車、自転車の運転許可。家事を許可。



【さて、リハビリをどうしますか。】

ここまでしっかりとDrからのオーダーがある以上、これにのっとりしっかりとリハビリをしていきます。

我々、理学療法士ができることといえばオーダーをより具体的に具現化することです。

例えば、お辞儀運動ですがただお辞儀するよりも肘の角度や前腕の位置、頸部の位置を細かく観察と動作分析として、頸部の動きなどが肩関節へ負担とならないように指導します。

また、評価時に頸部周辺の筋肉のタイトネスや頸部〜腰部までのマルアライメントがあればそこも修正。

アプローチで修正したら、再度お辞儀運動をしてもらい動作指導と動作の確認。


手指のEdema予防運動もただ手指を動かすよりも前腕の動きてリストの動きをつけながら行うことでより周辺組織の伸張性が出ます。

このようにただDrからのオーダーに乗っとるだけではなく、その指示の範囲内で最大限できるように指導をしていくことが大切です。


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