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太ももの外側が張ってしまう解剖学的要因と解決方法〜大腿直筋と腸腰筋のエラー〜

どうも吉田です。

 
そいえば新しくマガジンを始めましたー!吉田の回ではスペシャルライターが多くなってきて、吉田のコラムを残したい欲が出てきたので作りました。

 
こっちのマガジンは臨床ガチガチの話になります↓

大切なのはhow toではなくて、解剖学・運動学・生理学をどうやって臨床と運動に活かすか?


ですよね。

その深い部分を学んでもらえると嬉しいです。


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では早速本題へ!

ということを深ぼりしていきましょう。 
 

大腿四頭筋の中でも、骨盤に付着する「大腿直筋」の硬さが問題になるケースは臨床上多々あります。 
 

いわゆる

「太ももの前側が張ってしまう・・・」

といった悩みですね。


そのまま

1太ももの前側が張っている
2大腿四頭筋をストレッチすればいい

という思考はNGです。


しっかりと評価を取り入れて、解剖学的に、運動学的に考えてプロフェッショナルとして解決できるようにしましょう。



大腿直筋の2つの起始停止と作用変化


大腿四頭筋の起始停止は

起始:下前腸骨棘、寛骨臼上縁
停止:脛骨粗面
作用:股関節屈曲、膝の伸展

ですね。

さらに起始部を細かく見ると

引用:Origin of the Direct and Reflected Head of the Rectus Femoris: An Anatomic Study

・直頭(Direct head):下前腸骨棘に付着
・反回頭(Reflected head):寛骨臼上縁や関節包に付着

の2つに分かれます。(3つと定義している説もあります。小臀筋に付着するThird headです。)

引用:江玉睦明, 影山幾男, 熊木克治. 大腿直筋の筋・腱膜構造の特徴 -肉はなれ発生部位との関連についてー 厚生連医誌, 第21巻, 1号 2012, 34-37

実際の解剖の図で見ると上記のような感じですね。

股関節0度:直頭
股関節45度:どちらも
股関節90度:反回頭

のように角度によって働く場所が微妙に変わります。



ではなぜこの2つの頭に分かれているかというと。


大腿直筋の2つの作用があるからです。


大腿直筋自体は股関節屈曲と膝関節伸展の2つの作用があり。

股関節屈曲90度:大腿直筋の反回頭が働く
股関節屈曲0度:大腿直筋の直頭が働く

という感じで2つの起始部が角度によって対応するためにあります。



さらに大腿直筋自体の筋肉の長さが長いため、

股関節屈曲運動:大腿直筋の近位側が働く
膝関節伸展運動:大腿直筋の遠位側が働く

と筋肉の場所でも作用が分かれます。


引用:FreePTsalon「ゼロから理解する解剖学」

面白い筋肉ですね。


臨床上、股関節の前方のつまり感にも影響します!


ではなぜこの筋肉が太ももの張り具合と関係するのでしょうか?


骨盤アライメントと大腿直筋の関係性

「骨盤後傾量が大きい場合は大腿直筋の筋活動開始時期が早く,骨盤後傾量が小さい場合は大腿直筋の筋活動が遅い。骨盤後傾量が大きいと大腿直筋が過活動すること,骨盤後傾量が小さいと腸腰筋の収縮が起きていることが推測される」(本島,2007)


この論文と臨床上における主観は合うことが多いです。

1骨盤後傾位のアライメント:大腿直筋が働きやすい
2骨盤後傾位のアライメント:腸腰筋が働きにくい
3立位で骨盤後傾しやすい現代人の姿勢は「sway back」
4大腿直筋(近位部)による姿勢アライメントになりやすく
5太ももの前側が張ってしまう

ということになります。


ではどこから変えていけばいいか?を考えてみましょう。


大腿直筋が働きやすい環境を変えるために最初にやるべきことは?

大腿直筋が硬くなっているからストレッチすればいい

にはなりません。


もちろんそれで変わる場合もありますが。。


比較的戻りやすいです。


なぜなら、大腿直筋が硬くなっている原因は

「骨盤後傾アライメント」

が根本的な問題です。


骨盤後傾の問題はいくつも上がりますが。

骨盤大腿リズムを考えてみると

1腸腰筋が働くことで骨盤の後傾を抑制し
2大腿直筋の過剰な収縮を抑制できる

と考えるとスムーズです。(これに加えてハムストリングスの短縮が膝関節伸展モーメントを作り出すため、ハムストリングスのストレッチも大切です。)


では大腿直筋を抑制した状態でどのように腸腰筋を鍛えるべきなのでしょうか??


腸腰筋と大腿直筋の角度のトルク変化から考えるエクササイズ


・大腿直筋は屈曲10~30°で屈曲に働く。それ以上の深い屈曲域、伸展域では屈曲トルクが小さくなる
・腸腰筋は深い屈曲域、伸展域でもトルクは維持される

という事実から。


深い屈曲域での骨盤前傾位における腸腰筋の収縮

が重要になります!



では実際のエクササイズ方法です!

ポイントは

・深い股関節屈曲域において骨盤を前傾させておく
・骨盤前傾を阻害するハムストリングス、大臀筋を硬さの負荷コントロールをする

です。


ぜひ使ってみてください!!

すると・・・

1腸腰筋が働き、大腿骨頭が求心位になる
2骨盤前傾・腰椎前湾になる
3立位姿勢で大腿直筋が抑制できる
4太ももの外側の張りが減る

です。

Nピラティスのお客様の変化。太ももの張り具合もへり、姿勢、ボディメイクの観点からも変化がよく分かりますね!


まとめ

1大腿直筋には起始部が2つ、作用も近位と遠位で異なる
2骨盤のアライメントによって大腿直筋と腸腰筋の制御が変わる
3股関節の角度の変化・骨盤アライメントからエクササイズを考える

です!太モモの外側が張ってしまう原因を解剖学的に考えるとここまで深く考えていけますね!

こんな感じの解剖、論文などを実際の臨床思考・エクササイズにまとめていくのをNMotionでやってきまーす!!

ぜひお楽しみに!!

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