見出し画像

アスリートに対するピラティスは効果があるのか?

今回のテーマはアスリートにおけるピラティスのエビデンスとなります。
女性や、高齢者に関しての効果が注目されがちですが、ピラティスの効果はアスリートにおいても数は多くないですが研究対象とされています。
そこで、今回は特に野球におけるピラティスの効果を最新の文献と共に、その科学的根拠について深堀していきたいと思います。


アスリートにおけるピラティスの役割

特にコンディショニングの観点からピラティスはアスリートにおいて行われることが多いです。身体組成(身体の成分組成、体脂肪、骨と除脂肪軟組織に分類させる)は運動身体能力に深く関わってきます。

そして身体組成の変化はシーズン中や成長期のパフォーマンス、怪我予防に影響してくる可能性が高くなります。その中でも除脂肪軟組織は特にフィジカルパフォーマンスとの関係が大きいとされています。

より高い除脂肪組織率はより高いパワーと筋力との相関が報告されています。先行研究においてはピラティスは除脂肪軟組織の増加にも繋がることが報告されているためコンディショニングにおいて非常に有用であることが見受けられます。

そして、野球においては体幹の強さもパフォーマンスへの鍵となります。

投球モーションにおいては体幹の安定が下肢から発揮されるパワーを効率よく手先へと伝達します。さらに投球モーション時の体幹が投げる側よりも反対側に倒れすぎることは成長期の野球選手において上肢への怪我リスク増加に繋がる事も報告されています。そのため、体幹に焦点を置くピラティス運動はの筋力向上が期待できるため理にかなっていると言うことです。

このような背景から今回紹介する研究は2022年に行われた成長期の野球選手を対象に行われた研究となります。8週間のピラティスプログラムが体幹と膝の筋力、身体組成に与える効果が研究されました

ここから先は

1,250字 / 2画像
運動を仕事にするトレーナー、ピラティス、ヨガ、セラピストの先生向けの専門家マガジン!

運動を仕事にする全ての人へ。理学療法の知識、解剖・運動・生理学と最新の論文から現場で使えるピラティスや運動の評価・方法・考えをコラムと動画…

理学療法士最大級のオンラインサロンFree PT salonを運営!知識・技術を学ぶのはもちろん、発信力をつけて、みんなとコラボしてプロダクトを作る!やりたいことを実現する場所!→http://reha-basic.net/free-pt-salon/