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圧倒的にリハビリ現場に「筋トレ」が不足している

エニタイムフィットネスに週5回通う吉田です。

危うく店員になりかけています。

突然ですが。

みなさんは筋トレをしていますか?

そして筋トレを適切に指導できますか?


昨日のある飲み会で。

「みんなリハビリ室の病院のベッドに寝かせて何やってるの?筋トレした方が良くない?」という話題が出ました。


吉田もこれに激しく納得です。

ベッドに寝て徒手抵抗で筋トレしているセラピストがいたらこう言います。


「まずはエニタイムに通ってみよう」とw


では筋トレが最強のソリューションな理由を説明します。


そうです。今。現場に「筋トレ」が必要です( ´∀`)


病院のリハビリベッドで徒手抵抗運動は?

いろんな理由やセラピストの考えがあるので。

前提として「筋トレのための」と捉えてね。

「筋トレをする上でベッド上の徒手抵抗はかなりあいまいだ」

です。

よくやりますよねベッド上での筋トレ。特に学校の教科書をそのままみてやってしまうこと。僕もセラピスト1年目の頃やってました。一生懸命抵抗かけて10回きり良く終わらせてしまうナゾのトレーニング・・

この徒手抵抗の問題点は

・負荷が分からない(低すぎる)
・セット数の組み方が適当(みんななぜか3セット×10とかでやる)
・代償動作バリバリ

です。

何よりも負荷が低すぎます。測定できない負荷とセット数を行うトレーニングは「なんちゃってトレーニング」以外の何モノでもないですね。


サルコペニアを考えてみよう

サルコペニアとは加齢に伴う筋量や筋力の現象です。

個人差はありますが20代が筋肉量のピーク。それ以降は徐々に筋肉量は低下していきます。

1サルコペニア
2足が上がらなくなる(特に研究では大腿四頭筋の筋力低下が顕著)
3転倒して骨折
4さらに活動量の低下や認知症のリスク

というのが大問題とされていますね。


少なくとも20代以降で何もトレーニングをしなければ筋肉は落ちていきます。病院のベッドで寝ている時間が長ければ長いほど落ちます。(入院患者さん向けのリハビリをする場合は、寝ている時間、活動時間、リハビリ時間、栄養摂取状態などを的確に把握して運動負荷をコントロールすることが大事になります^^)


筋トレの負荷をどうセッティングするか?

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まずは基礎的に。

最大反復回数、つまりそれ以上あげられないくらいの負荷をかけることが大事になります。

特に加齢に伴って

・上肢よりも下肢が萎縮する
・遅筋繊維よりも速筋繊維が萎縮する(速筋繊維の数減少と太さ↓)
・30歳代から筋萎縮が始まり1年毎に5 %前後減少。80歳代で約40 %の低下。


が生理学的に起こります。

だから1万歩歩いても速筋繊維はつかないし、下肢の筋量は増加しません。ましてやベッド上の徒手抵抗だけで筋力がつくはずもないのです。

なので・・・

重さは

・中程度の重さの負荷

が筋肥大に必要になります。

で、これをめっちゃ簡単に要約すると

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これくらいの強度、量、頻度が必要。(セット数は5くらいまで増やしても良い)


ではこれを実践しているセラピストはどれくらいいるでしょう?


かなり少ないと思います。


理由は「リスク」ですね。

病院にいる患者さんは高齢の方が多い。筋トレで80%1RMでトレーニングをすると平均値120mmHgの人の血圧は倍の240mmHgまで上昇します。高血圧リスクのある患者さんには中等度〜高強度トレーニングはややリスクが生じるということですね。


だからといって効果の判定できない徒手抵抗の筋トレを続けるのはどうでしょうか?それはプロフェッショナルではないと思います(*´-`)


リスクのある方への筋トレメソッド

ここで高齢者やリスクのある方でもできるトレーニングとして出てきたのが

・加圧トレーニング
・スロートレーニング

ですね。

ただ加圧トレーニングに関してはベルトをしめることによって血流変化が起こるのでこれもちょっとリスクはあります。あとは器具と資格が必要になるのでちょっとハードルは上がります。

そこで簡単にできるスロートレーニングが有効になります。

スロートレーニングとは関節をロックさせずに常に筋収縮を入れてゆっくり動作を行うことで筋力増強させる方法です。

具体的には

・3〜5秒かけて動いて、5秒くらいかけて戻る(スクワットや太もも伸ばしなどどのエクササイズにも応用できる)
・関節をロックしない(膝を伸ばしきらない、肘を伸ばしきらないなど)
・回数は5〜10回、2〜3セット、週に2〜3回行う
・呼吸を止めない

実際に、負荷強度50%スロートレーニングと負荷強度80%の通常トレーニングを行った実験では筋断面積の変化は同じくらい太くなると言われています。

具体的なトレーニング例としては50%RMで8回3セットでゆっくり行うことで十分に効果が出るということです。

しかも血圧変動も低いのでリスクは低いです↓(文献を参考に)

パワートレーニングとスロートレーニングを比較検討した研究でも差がないことがわかっています↓(文献を参考に)


関節の角度10度変えることや徒手療法ににこだわって痛みを取り除くことも大事だけれど。


筋肉を適切につけることも同様に大事です。


※ちなみにフルレンジでの筋トレは可動域自体も増やします。他動的なストレッチするなら能動的にフルレンジの筋トレした方が一石二鳥です


トレーニングしても筋肉がつかない人は??

適切な負荷と量と頻度が筋トレには大事。

でもそれと合わせて栄養状態も大事です。

もし筋トレしていても筋肉がつかない場合は栄養状態を疑いましょう。

筋トレ後の栄養はこちらをみてね↓

いろんな栄養の方法はありますが。

大まかにまとめると

・高タンパク食にする
・タンパク質は体重1kgあたり1.2~2.0g必要
・筋トレ後に炭水化物を摂取する

が大事になります。たんぱく質は卵とか大豆とか魚とか肉です。脂質の量を考慮して食品を選びましょう。


で、意外と忘れやすいのが炭水化物。いわゆるお米とかパンです。

1炭水化物を摂取する
2インスリンが出る
3栄養素が体の中に取り込まれる

という順番です。筋肉を作るたんぱく質も炭水化物を摂取してインスリンが出ることで取り込まれます。


これをちゃんとチェックしましょう。


特に入院患者さんなどの食事摂取量は欠かさずにチェックしましょう。筋トレしてもご飯食べてない・・・ってことはよくあります。


でも入院患者さんの栄養はまた別問題!

ただ。入院患者さんの栄養状態はまた思考を変えましょう。

特に侵襲,悪液質,飢餓の3つの理由で「低栄養」になっていることが多いです。

侵襲による低栄養:外傷や手術などの炎症性による低栄養

悪液質による低栄養:臓器不全やがんなどの疾患による低栄養

飢餓による低栄養:エネルギー摂取量が少ない。食べられない人はこれ。


が絡みます。

なので、体重だけでなく、体脂肪、除脂肪体重、体脂肪率、四肢の周計、血液データから総合的に判断する必要があります。

つまり疾患を抱えている人の栄養状態のチェックはさらに細かく評価する必要があります。

詳細はリハ栄養などでチェックして勉強してみましょう!!

おすすめ本↓

低栄養のまま筋トレを行うことはむしろ逆効果になるので注意しましょう!!


まとめ

・高齢者には筋トレが必須
・筋トレには負荷、セット数、頻度が重要
・高齢者に対するリスクを知る
・リスクに対処しながら筋力強化を図るのがプロ
・同時に栄養を評価
・疾患を抱えている人の場合は細かく栄養を評価する


これらをしっかりと踏まえて


筋トレ


していますか?


という問いにしっかりとYesと答えられるようになりましょう。


うん。それがプロ。

さらに詳しく勉強したい人はこちらをどうぞ↓


ファイトー( ´∀`)


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