サイコロ次郎

公認心理師として自殺防止相談や虐待防止相談などを担当。援助スタイルはエリクソニアン。な…

サイコロ次郎

公認心理師として自殺防止相談や虐待防止相談などを担当。援助スタイルはエリクソニアン。なお実際の相談は一切口外いたしません。相談事例として掲載している場合は、創作もしくは公開を前提としている相談(匿名掲示板や配信での相談等)、及びそれを元にした架空事例です。

最近の記事

「サンドバック」になれるかどうかが「相談援助者」の適性だったりする理由

2016年から丸8年近く、このキャリア相談の世界に浸かってきました。 その中で感じてきた大きな問題点の一つについて、思うところをお伝えしています。 キャリア相談界隈の問題点:解決のための「目標設定」と「同意」に重きをおいてしまう改めて「キャリコン(実技)試験」と「リアル相談」の違いを考えてみると、キャリコン実技試験は、先日下記の記事でもお伝えしたように「選択」について「どのように考えればよいか」を思い悩んでいるクライエントが出題されます。 つまり(あくまで私の知る限りです

    • 「生きづらさ」にどう対応する?相談援助業務とキャリアコンサルタント制度

      2016年から丸8年近く、このキャリア相談の世界に浸かってきました。 その中で感じてきた大きな問題点の一つについて、思うところをお伝えしています。 キャリア相談界隈の問題点:多様な「生きづらさ」への理解と対応スキルが養成課程に含まれない先日、自分自身が平成16年から約20年間経験してきた、(キャリアコンサルティング以外の)ひとり親家庭自立支援や自殺防止相談、児童虐待相談、学校教育(児童・生徒やその保護者の悩み)相談を振り返って、どんな悩みが多かったか、軽い気持ちで書き出して

      • キャリア相談を「自律」して行っていますか?

        2016年から丸8年近く、このキャリア相談の世界に浸かってきました。 その中で感じてきた大きな問題点の一つについて、簡単にお伝えしておきます。 キャリア相談界隈の問題点:理論を「そのまま」適用している キャリア相談における大きな問題と感じるポイントの一つが、各理論を扱う際に「時代の変化」や「各理論の問題点」をスルーしているケースが非常に多く、いわば「そのまま」適用している点です。 例えば、有名な「キャリア・アンカー」。 この理論は、下記のような「前提」があります。 ・

        • 女性性がカウンセリングに適する理由

          ミルトン・エリクソンはこう言いました。 ※エリクソンは「男性」「女性」としましたが、私は「男性性」「女性性」の方が今の時代にマッチするように思いますので「男性性」「女性性」と言い換えます。 ・・・・・・・・・・・・・・ 男性性の強い人は「目的(目標)」への到達の速さを競うことが多い。 だから「回り道」ができない(苦手・理解しない)。 逆に女性性の強い人は、回り道を自然なものとして受け入れることができる。 人生はいつも最短のルートを辿れるものではないし、常に最速を出

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          一番の近道は遠回りだった。

          さて、今日は【推しの子】最新12巻の発売日。 kindleで0時と同時に購入しました。 最近は電子版で本を買うことが少しづつ増えてきましたね。 それはさておき、気づいたことがあります。 森俊夫先生は、「演劇論」から「セラピー(カウンセリング)論」を構築しました。 この辺りが、演劇に触れた経験のない私には、分かりづらかったんですね。 で、【推しの子】を読むと「演劇論」が少しだけ語られます。 この演劇論のおかげと言いますか、ほんの少しだけでも「演劇ってナニ?」が見え

          一番の近道は遠回りだった。

          Vtuber配信活動が教えてくれたこと

          私は、昨年4か月ほどVtuber配信者として活動していました。 なぜ4か月かというと、急に診断士受験欲に目覚めたからです笑 もっとも、その診断士受験欲も3か月ほどしか続かなかったわけですが… それはさておき、Vtuberとして配信活動をしたことで、一般的なカウンセリングでは難しい、非常に貴重な経験をすることができました。 まずその一つが「若年者のリアルを知ることができた」ことです。 そもそも配信アプリ自体、中高年はほとんどいません。基本的には30代前半以下の若年者層

          Vtuber配信活動が教えてくれたこと

          「面接に影響するから学科の自己採点をしない」に思うこと

          第23回キャリコン学科・論述試験も終わり、面接RP試験を残すのみですね。 さて、毎回モヤっとするのが 「面接に影響するから学科の自己採点をしない」 この言葉です。 理解はできるんですよ。 だけど実務って「毎日」のことです。 恋人と別れようが 配偶者と別れようが 親がガンの告知を受けようが クライエントには何も関係が無い。 もちろん、こういった事情をクライエントに伝えることもありません。 そしてクライエントは時に「自虐風マウント」をしてくることもある。 昨日

          「面接に影響するから学科の自己採点をしない」に思うこと

          【推しの子】タイトルの【の】に込められた意味を、ひたすら考えてみる。

          クリエイターは、意味のないことはしない。そして、作品で自身の伝えたいことを語るはず。 この仮説に基づいて、【推しの子】というタイトル(とそのイメージ)について、考察をしていきたいと思います。 今回は「の」。つまり これだけをひたすら考察します。 1.「の」に「☆」で『星野』」「の」に星が入っていることで、『「星」「の」』と読むことができます。 2.「の」の「赤」は「アイ」のサイリウムカラー作中でも、アイのステージでは赤のサイリウムが使われていますし、ルビーが「アイと

          【推しの子】タイトルの【の】に込められた意味を、ひたすら考えてみる。

          「推しの子」全巻、大人買い!

          さて、ずっとアマプラで観ていた「推しの子」ですが YouTube観てもおススメ動画のサムネイルでネタバレ。 Twitter見てもおススメツイートでネタバレ。 ちょっと検索したらサジェストでネタバレ。 ニコ生で観たらコメでネタバレ。 もう、今やネットライフとネタバレはセットです。 しかし、私はネタバレされると腹が立つタイプなので、今日ネカフェで9巻まで一気読みしました。 メチャクソ面白い。 「鬼滅の刃」は5話で切り、映画も観なかった私ですが… 「推しの子」は、9巻ま

          「推しの子」全巻、大人買い!

          推しのこ(っか資格)

          さっきツイートしたんですけどここ数日、毎日のように「キャリアコンサルタント」がTwitterのトレンドに表示されるんですよ。 私自身、アイドルを推したことは一度もないのですが「デビュー直後の売れないアイドル(キャリコン資格)」を推し続けて、売れっ子プロデューサー(岸田総理)から新規グループ(リスキリング支援)に勧誘されて、そのグループのセンター的立ち位置(リスキリングアドバイザー)で売れる… こんな流れを見ているような気になります笑 YouTuberに「食えない資格トッ

          推しのこ(っか資格)

          今後のキャリアに絶対に必要になるモノ

          世は「大リスキリング時代」に!骨太の方針2023でも「リスキリング支援」が明確にされ、いよいよ世は大航海時代ならぬ「大リスキリング時代」に入りました。 しかし、バブル崩壊から30年以上、「企業主導」の「教育訓練」に慣らされた個人が、「個人主導」で「リスキリング」できるでしょうか? できるはずがありません。 仮に今、「100万円上げるので、好きなことを勉強していいですよ。但しAI時代に役立つことにして下さい」と言われたとします。 じゃあ「○○の勉強をしよう!」と即動ける

          今後のキャリアに絶対に必要になるモノ

          ビジネス書籍の内容、96.2%はムダ!?

          最近、急に読書熱が復活したので、積んであったビジネス書籍を読んでいます。 「読んでいます」と一言で表現しましたが、私が本を読むとき、前田裕二さんの著書「メモの魔力」で述べられている「事実(Fact)」、「抽象化」、「転用」の3つの観点からメモを取りながら読んでいきます。 ↓こんな感じ(事実(ファクト)欄) このようにメモを取りながら読み進めていくのは、手が疲れる上になかなか進まないことも相まって、結構苦痛なんですよね… 世の中には速読自慢の人が本当にたくさんいて、Tw

          ビジネス書籍の内容、96.2%はムダ!?

          たった2つだけ!?クライエントを理解するために必要な2つのこと。

          さて、昨日は1週間に1度のお楽しみ、「推しの子」Dayです。 先週はなぜか総集編という、どうでもいい回をねじ込まれたので、昨日は2週間ぶりでした。 前回第7話の衝撃のラストからどう展開するのか… 興味津々の第8話だったんですよね。 ネタバレを避けて言うと、第8話も前回に引き続きエリクソンで私的には大満足でした笑 ・・・・・・・・・・・・・ エリクソンはこう言っています。 「観察だ。患者と自分自身を観察すること。これによって治療に必要な情報は全て自分のものとなる」(

          たった2つだけ!?クライエントを理解するために必要な2つのこと。

          カウンセリングが『流行っていない』という「思い込み」

          カウンセリング(キャリアコンサルティングを含みます)がもっと身近になって欲しい、広まって欲しい、そんな思いを持って、ネットで発信されているカウンセラー(キャリアコンサルタント)の方を非常に多く見かけます。 その思い・活動は非常に素晴らしいと思います。しかし残念ながら、カウンセリングはもう「十分身近である」「広まっている」と言っても過言ではありません。 この「現状」を正確に認識しないと、せっかくの活動が無駄になるばかりか、本当の問題をスルーしてしまうことになると思い、今回n

          カウンセリングが『流行っていない』という「思い込み」

          【ネタバレ】ロイエンタールの「アレ」を自己実現欲求的に考察する【銀河英雄伝説】

          ※ネタバレ注意です。 銀英伝好きにしか伝わらない話をちょっと手直しして再掲笑 「おれは自分が何のためにこの世に生を亨けたか、長いことわからなかった。知恵なき身の悲しさだ。だが、いまにしてようやく得心がいく」 ーオスカー・フォン・ロイエンタール 自分の至らなさを感じるとき、私がよく思い出すのがロイエンタールのこの言葉。 この言葉をロイエンタールが発したのは、親友であるミッターマイヤーとのFTL(超光速通信)でのシーン。 銀英伝考察サイトでも、なかなか理解されない(そし

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          専門職が看板を下ろすとき

          あなたの会社も多様性の理解に取り組んでいると思います。 が、現実には99.9%の会社が「根本的な理解」がありません。 ハラスメントにしても多様性にしても上辺だけの理解、流行に乗っただけのポーズでは社内に混乱を生むだけです。 例えば 「私は外見的には男性だが、内面的には女性であり、同性愛者(レズビアン)である」 これが「(性的:LGBT)自認」です。 しかし、自認は揺らがない・変化しないとは限りません。 これが「Q」です。 Qとは、クィアまたはクエスチョニング=

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