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転移と逆転移(transference/counter transference)

○転移

 クライエントが幼児期の人間関係に由来した内的葛藤から生じる非合理的な感情を、治療者に向けること。
 好意や恋愛感情を向ける陽性転移(positive transference)と、敵意や怒りを向ける陰性転移(negative transference)がある。
 心理面接という非日常場面だからこそ生じるものであり、クライエントの正当な反応とは区別せばならない。
 強い依存や敵意などが明らかになったら、即座に話題を取り上げ、共感的理解を示しながらどのような感情や観念と結びついているのか明確化すべきとされている。

○逆転移

 治療者が転移に反応して、クライエントに非合理的な感情を向けること。
 逆転移が生じた場合、治療者が自らの逆転移を自覚して自己統制すべきとされている。

○抵抗(resistance)

 クライエントが話の途中で沈黙したり、話すことをためらったり、歪めたりなど心理療法・心理面接の進行を妨げること。
 抵抗の背景には、問題の解決を望みながらも自身が変化していくことに対する不安や、解決することによって周囲の心配を失いたくないという疾病利得がある。

○行動化(acting out)

 クライエントが自身の心理状態を言語化できす、行動によって表現すること。
 不安や苦痛が心理面接への無断欠席などつながることがある。

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