自分のエラーだと疑うことのできない人たち

今日は、普段退屈なだけの営業の仕事で面白い気づきがあった。

家電量販店でのイベントスタッフとして稼働していた中で、買い物をした客にガラガラ抽選をしてもらい、そこからアンケート→商談という、非常によくある流れのやつだ。

僕は、そういったコンテンツを盛り上げるのが絶望的に下手くそなので、遠目から眺めていて、アンケートをお願いされたら入るくらいの立ち位置なのだが、そこからガラガラを回している客を見ていると、様々なことを感じる。

今日、とある客がガラガラを回す時、高速で回し始めた。

当然だが、そんなに早く回したら玉が出てくるはずがない。にも関わらず、そのスピードで何周か回した後、「なんやねん、全然出えへんやん!」とと言っていた。

非常に興味深い光景だった。

なぜなら明らかに玉が出ないのは、その客のエラーである。

2〜3周して出なければ、少し回し方を変えてみるなりすれば良いのに、全く自分は修正することなくガラガラのエラーだと非難していたからである。

彼は明らかに自分に問題があることを認識していなかった。

決してその客が特別というわけではない。

その客のように、自分にエラーがあることに気づくことなく、周りのせいにしたり、周りを批判する人は一定数存在する。

そして、そういう人は決まって、常に何かに怒っている。

少し話が変わるが、18世紀に「Black death of childbed」と呼ばれる感染症が流行した。

これは女性が子供を産んでから、48時間後に死ぬというものだった。

最初、その感染症が流行り出した時、何が原因か分からず多くの病院で問題になっていたが、その原因がただ医者が手を洗っていないというだけのことであることがその数年後に明らかになる。

しかし、それを提唱したものは医師たちから笑われ、非難された。

「バカなことを言うんじゃないよ」と。それが30年も続いたそうだ。

そして、30年後、本当にそれが原因であったことがわかり、それから手を洗うようにするだけでその感染症は見られなくなったらしい。

医師たちは原因不明だと思っていた深刻な感染症の原因が自分であるとは思いたくなかったのかもしれない。

もしくは、そんなことはないと思い込んでいたのかもしれない。

どちらにしても問題は簡単である。彼らも自分がエラーであるということを認識できていないのである。

この世界で最も頭の良い人たちの一部であろう医師たちですら、それには気づけないことがあるのだから、僕たち一般人が日常生活の中で自分のエラーに気づけてないことが山ほどあるはずだ。

そんな不安もなく、自分は正しいと押し通せるだけのガッツは尊敬するが、時にそれが大きな問題を招くことになるのかもしれない。

自分のエラーだと疑うことのできない人たち。


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