見出し画像

「Café&MealMUJIの“おいしさ”のひみつ」に行ってきました。

2016年1月31日(日) 無印良品有楽町店3Fにて行われた、トークイベント「Café&MealMUJIの“おいしさ”のひみつ」に参加してきました。
※なんと2/2現在この本売り切れ!!
イベントURL:http://www.muji.com/jp/events/1305/

昨年の12月に発刊された「Cafe&Meal MUJI 野菜レシピ」と連動したイベントで、MUJI BOOKSの担当の方が司会進行ですすめられました。

■MUJI BOOKSの紹介

MUJI BOOKSは、福岡で生まれたんですね。生活の「さ(冊)し(食)す(素)せ(生活人生)そ(装)」のテーマで選書されているそうで、他の記事を見ていたらなんと松岡正剛の編集工学がかかわっていたのか、なかなか頷けるラインナップになっています。
しらべぇのMUJI BOOSの記事

■出版社「実業之日本社」とMeal MUJI

このCafé&MealMUJIのレシピ本は過去にも発刊されています。発行元の「実業之日本社」さんは、有楽町店の近くに社屋があったことから社員のみなさんで「社食」と呼んでよく利用されてお店のファンだったことをきっかけに、レシピ本を出す企画を持ち込まれて実現したとのこと。実業之日本社は、250年の歴史がある老舗の出版社で、なんと岩波より古いんだそうです。MUJI BOOKS の方曰く「本は出版社にも注目」とのこと。さすがや。
WikiPedia:実業之日本社

■本「Cafe&Meal MUJI 野菜レシピ」

これ以前Meal MUJIの本は実際にお店で出されているメニューを中心にしたレシピでしたが、今回は角度を変えて家庭での「作り置き料理」中心に店頭に出る料理だけでなく、家庭向けのオリジナルレシピも含まれているところが新しいのだそうです。※最近は、作り置きおかずブームっぽいですね。

■Meal MUJIのメニュー

Meal MUJIのコンセプトは「素(そ)の食はおいしい」。「一汁三菜」を基本の形にして「毎日食べても元気になる」ことを目指して作られているとのこと。普通の外食はたまに食べると美味しいけど、毎日はね、、となっちゃうけどMeal MUJIのメニューは毎日食べられるし、それで元気になれる食なんですねというお話、ふかくなっとく。

■メニューづくり

Meal MUJIのメニューは毎月入れ替わっていて、そのメニューは全国の店舗の現場のシェフの方々が考案しているところが特徴。八百屋さん「日吉」の黒澤さんに相談しながら、その季節においしい野菜と色や味など「主題」と「副題」が全体のバランスをみて構成され、それを宿題として持ち帰り、毎月その試食し見直しをおこないながらメニューを決めていくそうです。このあたりのことは『café&meal MUJI』がやっている人にやさしいことという本にも詳しく書かれています。

黒澤さんは、Meal MUJIのコンセプトに共感して「いい野菜を手頃なコストで供給するため」に不揃いや傷はあるけど味がよい市場には出せない野菜を調整・提案してくださるのだそうです。ちなみに、市場に出回る野菜の取り扱いの基準は収量や形状で「味ではない」のだそうです。改めてそう言われてみると不思議な基準なんですね。

画像2

■有機農法でつくられるのらくら農場・萩原さんのお野菜

Meal MUJIで使われる野菜をつくられている、長野県の「のらくら農場」の萩原さん。農薬を使わないということは「ストライクゾーンが狭い」ということ。当たれば収量が多いけど外れれば収穫がない。農業を初めた当初は、その当たり外れが大きかったけど、土壌分析をするようになって変わってきたそうです。※写真右が萩原さん

面白かったのは、土の成分の何が足りないかをみるポイントが成分ごとに違うそうで葉っぱの角度だったり、根本の様子、葉脈、様々な箇所にその信号を読み取るそう。それぞれの野菜の種類ごと成分ごとにチェックポイントがあり、農場で働く人のその憶えなければならない知識は膨大なものになるそうです。そのおかげで、安定した収穫が得られるそうです。

ごぼうを無農薬で育てるのに6年かかって、今年でようやく5年目とおっしゃっていたか、そんな貴重なごぼうをMeal MUJIでいただいていたんですね!!!

また、萩原さんは黒澤さんと相談しながら、新しい品種に挑戦し続けていて、大根だけでもいろんな色の品種を作られています。黄緑やピンク、紫などい色とりどりの大根を切って見せてくださいました。また、Meal MUJIに提供されている萩原さんの水菜はとても茎が太くてぽってりしていて、味わいも濃厚!

萩原さんの家では、簡単に「これをごま油ともみ海苔しょうゆで和えて食べるんだ」とおっしゃっていました。のらくら農場のページでは、そんな農家のお野菜レシピがいろいろ紹介されています。

■長野の人は野菜をいっぱい食べる

萩原さんが「明日は、葬式なんだけど90過ぎの人で、昨日まで鍬もって畑で働いていたのに翌日死んじゃったんだよ。90過ぎてチェーンソーで木も切ってたよ」って明るく話されていました。健康ってこういうことなんだなぁ。

みんな休憩に「お茶」するんだけどそのお茶うけが、甘いものじゃなくてぜんぶ野菜!って、とにかく野菜をたっぷり食べる。だから、死ぬまで元気なんだねとおっしゃっていました。このお話を聞いて「うわぁ、野菜、野菜、野菜いっぱい食べたい!」とあらためて思いました。

■いい野菜をどうやって手に入れるか

参加者からの質問で、レシピ本を見て料理を作るがお店と同じ味にならない、話を聞いてわかったのは「野菜が違う」ということだった。のらくら農場がない私は野菜をどうしたらいいんでしょう?同感!

この回答は、日吉の黒澤さんがされました。

スーパーといってもいろんなスーパーがあって、野菜をちゃんとこだわって選んでいるスーパーもあります。(そうでないスーパーもあります)(食べるときに)「一生懸命味わって食べてください」そうすれば「この野菜おいしい!」という野菜に出会えます。どこの店に行けば美味しい野菜があるかわかるはずです。

この人すごい、とあらためておもった。

Meal MUJIのシェフ森谷さんからは、この本でも紹介していますが、お店でも塩麹をよく使っています。塩麹をつかうとスーパーの野菜でも味が整うと思いますよというアドヴァイスがありました。

■お野菜をシンプルに味わう

この日は、森谷シェフが特別に作られたカラフル大根を使ったラタトゥイユと、水菜のおひたしが参加者にふるまわれました。味わいぶか〜い!

■おわってみて。

Meal MUIがどんなふうに作られているかは、先にも紹介した「『café&meal MUJI』がやっている人にやさしいこと」(中村新:著)の本に詳しく紹介されています。が、今回実際にかかわっていらっしゃる方々の生の声を聞いて、あらためてタイトル通り「おいしさのひみつ」がよくわかりました。

とくに東京の外食はとにかく野菜が足りない(1食100グラムが必要)!そして、あったとしても「生野菜にドレッシング」のスタイルが大半で、手をかけた野菜料理に出会えることはなかなかない中、Meal MUJIはほんとうに手頃な値段でおいしい野菜のデリがいただける貴重な場所。

生産者さん、八百屋さん、メニューを考えるキッチンのシェフ、そしてお店をささえるスタッフの方々のストーリがつながっているからこその場であり味であることをあらためて確認できたひとときでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?