【縁凜の日常】おんぶ

ある日の散歩中。

横浜、山下公園で解けた靴紐を結び終え立ちあがろうとしたその刹那。

後ろから歩いてきたであろう歩きスマホの男性が私につまずき奇しくもおぶさるような格好になった。

そのまま立ち上がった私、見事おんぶの完成である。

それを間近で見た女性がからあげくん(ホット)を吹き出し咽せる。

それを真顔で見つめるおんぶ男性二人。

友人と思われる女性は笑い転げながら「キィエェェェエ！」と、薩摩藩示現流二の太刀要らずのような気迫のある声を上げる。

正面から来るランナーは顔を背け、明らかにペースを上げた。

今日も平和な横浜。
素晴らしい街である。